IBMはより進んだレベルの医療にも取り組んでおり、医療技術とサービスの企業であるMedtronicとパートナーシップを組んで、医療プラットフォームを準備している。
両社が手掛けているのは、コグニティブコンピューティングで患者のインシュリンレベルと血糖値を計測して分析する、Medtronicの糖尿病治療用デバイスを使ったソリューションのプロトタイプだ。患者はこのプロトタイプをウェアラブルデバイスの形で利用する。このデバイスは、iPhoneおよびAndroid用のモバイルアプリに接続し、このアプリでデータが表示される。
計測を行うだけでなく、受信したデータに基づいて自動的に予防のためのステップを提示することで、健康に危険が及ぶ前に対策を取れるようにすることを目指している。
IBMはこれが、Watsonの医療分野での可能性を具体的に示す、アプリとウェアラブルデバイスの最初の組み合わせだと述べている。CESではプロトタイプのデモが行われており、2016年中にリリースされる予定だ。
また、人間の脳を模倣する認知能力を持つよう設計されたWatsonが、将来ロボットの頭脳としても使われる可能性が示された。
ソフトバンクロボティクスは、Watsonを使って同社のロボット「Pepper」に新たな機能を提供する。その狙いは、言葉やジェスチャーの学習と理解によって、自然に対話する能力を生かすことだ。
Pepperは感情を持ったパーソナルアシスタントロボットとして設計されているが、Watsonを使用するバージョンのPepperは、セルフサービス方式のキオスクや小売店で使用することを前提とするエンタープライズ顧客向けのものになるという。
IBMはまた、Watson版のPepperには、顧客の事業ケースや経験に応じて開発者が機能を最適化できるよう、ソフトウェア開発キットが付属するほか、Watson APIにアクセスできるようにすると述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。