米国IBMとソフトバンクロボティクスホールディングス(SBRH)は1月6日、ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」向けのIBM Watsonを開発し、世界の企業に提供する計画を発表した。この計画は、日本でIBM Watsonを展開するというIBMとソフトバンクの戦略的な協業に基づくもの。
2社は1年にわたり、IBM Watsonの日本語対応、アプリケーション開発者向けにIBM WatsonのAPIを提供するテクノロジー基盤のローカライズを推進してきた。今回発表した計画では、IBM Watsonを搭載のPepperが、ソーシャルメディア、ビデオ、画像、テキストといった従来のコンピュータでは十分に活用ができないデータに含まれた意味を把握できるようになることを目指すとする。
さらに、ロボットであるPepperの物理的特性を活かして、学校での教師のアシスタントや、病院での看護補助、小売業での対面販売など、幅広い業界でのIBM Watsonの適用を研究していく。
IBM WatsonのシニアバイスプレジデントであるMike Rhodin氏は以下のようにコメントしている。
「今日、コグニティブコンピューティングの力はどのようなフォームファクターにも組み込むことができます。PepperについてSBRHと提携することで、より多くの人がIBM Watsonを体験し利用することが可能になります。コグニティブの機能を搭載したロボットとの実際のやり取りを経験したとき、人々が密接に携わりながら、新しくエキサイティングな価値をこの技術から見出すことを目の当たりにするでしょう」
またSBRH 代表取締役社長の冨澤文秀氏は、以下のように述べている。
「Pepper向けのIBM Watsonを開発していくことでIBMと協力することになり、とても興奮しています。Pepperは、ロボット開発のプラットフォームとして、優れた技術との連携を可能にしていく予定です。このたびのIBM Watsonとの連携が、幅広い分野におけるPepperの活用の可能性を広げてくれると期待しています」