Microsoftは米国時間3月14日、マイクロサービスプラットフォーム「Service Fabric」をオープンソース化することをブログ記事で明らかにした。Service FabricはMITライセンスのもとでオープンソース化され、「今後数カ月間以内」にGitHub上でのオープン開発プロセスに移行するという。
Service Fabric(元「Windows Fabric」)は、Microsoft Azureのマイクロサービスプラットフォームだ。Kubernetesとも競合する部分を持っており、どちらのプラットフォームも、オーケストレーターや、アプリケーションやコンテナのパッケージング、展開、維持などを行う役割を果たす。
Microsoftは、Service Fabricのことを「秘密のソース」としており、「Skype for Business」「Intune」「Event Hubs」「Azure SQL Database」「Cosmos DB」「Cortana」といったAzureの核となる多数のサービスを含むさまざまなMicrosoftのサービスで使用されている。MicrosoftはWindowsやLinux向けのService Fabricに加え、Azure上のWindows ServerやLinux用のService Fabricも提供している。またService Fabricは、Microsoft以外のクラウドでも利用できる。
3月14日時点では、Linux版のService Fabricのリポジトリとその関連ビルド、およびテストツールがGitHubで公開されており、基本的なテストを実行したり、プルリクエストを送ったりすることができるようになっている。ブログ記事によれば、Windows版をGitHubで公開する作業も進められている。
Microsoftはこの1年間、Service Fabricのさまざまなパーツをオープンソース化してきており、これには「Reliable Services」や「Reliable Actors」、「ASP.NET Core」統合ライブラリなどが含まれる。Service Fabricランタイム全体、さらにLinuxに加えてWindows用のビルド環境もオープンソース化される予定だという。同社はService FabricをGitHubで公開した後も、全Service Fabric製品のサポートを継続する。
Microsoftは、(少なくとも現時点では)オープンソース化したあともService Fabricを管理していく予定だ。同社のブログ記事には、次のように書かれている。
Microsoftはこのプロジェクトを所有するとともに、Service Fabricチームがプロジェクトの方向性を決定する管理主体となる。また管理主体として、コミュニティのガイダンスに従う責任も負う。ただし、将来このプロジェクトを何らかの団体に寄贈する可能性があることは否定しない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。