――ここは、とあるオフィス街に月1度だけひっそりとオープンする「SNS担当者お悩み相談室」。日々奮闘している企業のSNSマーケティング担当者たちの悩みを、SNSエキスパートであるMarie先生がやさしく解決へと導く、いわば隠れ家的カウンセリングルームである。
この4月に、社会人2年目を迎えたばかりの会社員。休憩時間に「ざっくりわかるSNSマーケティング入門」を熱心に読んでいるところを上司に見つかり、会社のSNS運用担当を任されることになった。ポジティブで頑張り屋だが、ほめられるとすぐに調子に乗ってしまうところが玉にきず。
今月の相談:SNSマーケティングの効果を社内で評価してもらえません…(前編)
飯根:Marie先生、こんにちは。
Marie先生:こんにちは、今年最後の相談室にようこそ。2018年は、飯根さんがSNSアカウント運用担当者として華々しくデビューした、記念すべき年になりましたね。
飯根:はい! そのおかげで、こちらの相談室ともご縁ができました。弊社にとっても、SNSアカウントの開設と運用開始は「今年の10大ニュース」に入るほどのインパクトだったと自負しています。
Marie先生:それは何よりです。来年もSNSマーケティングを継続するには社内の理解や協力が不可欠ですが、その辺りはいかがですか?
飯根:最初こそもの珍しさも手伝って、社内から励ましの声をかけてもらったり、社員が投稿に「いいね!」してくれたりすることもあったのですが、最近は落ち着いてきたというか…。社内の関心が薄れてきたように感じています。
Marie先生:そうですか。もしかすると、SNSマーケティングの効果が見えにくいのかもしれませんね。飯根さん自身は、SNSアカウント運用によってどんな効果を感じていますか?
飯根:効果測定については、前回教えていただいた通りいろんな数字を定期的にチェックしています。とはいえ、前の月より「上がった」「下がった」と一喜一憂するくらいで…。実際、SNSアカウント運用の効果については自分でもよく分かっていません。
Marie先生:それは「効果測定」とは呼びにくいですね(苦笑)。さらに言えば、飯根さん自身が効果を実感していない限り、社内に理解や協力を求めることも難しいでしょう。そもそも、飯根さんの会社がSNSマーケティングを行う目的・ゴール、つまりKGI(Key Goal Indicator)は何でしたっけ?
飯根:立ち上げ当初を思い起こすと、「とにかく、まずはSNSアカウントを開設し、定期的に投稿を行う」がKGIだった気がします。
Marie先生:なるほど。だとすれば、当初のKGIは既に達成済みで、現在はいわば「目的を見失った状況」といえそうですね。飯根さん。KGIは定期的な見直しや変更が必要なんです。そして、KGIが変わればKPI(Key Performance Indicator)も変わり、効果測定のやり方も変わります。
今、飯根さんに必要なのは「SNSマーケティングの目標設定・効果測定を適切に実施すること」と「SNSマーケティングの成果・効果を社内に共有し、理解を広めること」のようですね。まず、今回は前者について説明します。よい年末年始を迎えられるようにがんばりましょう。
飯根:はい。平成最後の12月は、SNSマーケティングの目標見直しと効果測定に集中します!