――ここは、とあるオフィス街に月1度だけひっそりとオープンする「SNS担当者お悩み相談室」。日々奮闘している企業のSNSマーケティング担当者たちの悩みを、SNSエキスパートであるMarie先生がやさしく解決へと導く、いわば隠れ家的カウンセリングルームである。
この4月に、社会人2年目を迎えたばかりの会社員。休憩時間に「ざっくりわかるSNSマーケティング入門」を熱心に読んでいるところを上司に見つかり、会社のSNS運用担当を任されることになった。ポジティブで頑張り屋だが、ほめられるとすぐに調子に乗ってしまうところが玉にきず。
今月の相談:SNS投稿するたびに「中の人」のキャラクターが変わってしまうんです……
飯根:Marie先生、こんにちは!前回は、危うくフェイクニュースを投稿するところを止めていただいて、ありがとうございました。もしあのままデマを投稿していたら、ここにはもう来られなかったと思います……。
Marie先生:飯根さん、こんにちは。またお会いできて安心しましたよ。この1カ月だけでも、さまざまなフェイクニュース(デマ)がSNSに流れましたね。特に災害発生時には多くのデマ情報が投稿、拡散される傾向があるので、十分気を付けてください。
飯根:はい!これからも「中の人」としてがんばります!…と思っているのですが、ちょっとご相談が。
Marie先生:どうされましたか?
飯根:こう見えて、私は結構ナイーブなところがありまして。仕事やプライベートで落ち込んだりすると、すぐそれが文章にも表れるみたいなんです。
Marie先生:ナイーブ……ですか。
飯根:先生、おっしゃりたいことは何となく分かりますが(笑)、話を続けてもよいでしょうか?
Marie先生:はい、どうぞ。
飯根:自分では気付かなかったのですが……。通常時のSNS投稿では「元気いっぱいでフレンドリーなキャラクター」なのに、気分が落ち込んでいる時のSNS投稿は「ちょっと暗くてひねくれたキャラクター」になっているようなんです。
Marie先生:それは…「ちょっとお近づきになりにくい人」かもしれませんね。
飯根:フォロワーからも「中の人変わった?」とコメントされたことがありまして。どうしたらいいものかと困っています。
Marie先生:なるほど。まず、そもそも厳密にいうと「中の人」=「飯根さん」ではないのですよ。
飯根:???
Marie先生:企業がSNS運用を行う場合、「中の人」=「運用担当者」自身と設定しがちですが、そうするとどうしても担当者の性格、言動を反映した投稿になるため、「SNS運用の目的、ゴールを意識した投稿」「一貫性あるSNS投稿」が難しくなる場合があります。
また、「特定の担当者だけに負荷が集中してしまう」とか「担当者が不在時や異動時に、SNS運用が続けにくい」などのリスクもあるんですよ。
飯根:つまり、「こんにちは、飯根です!」とSNS投稿で名乗っていたとしても、「中の人」は私つまり飯根と100%イコールではない、ということですね。
Marie先生:その通りです。企業がSNS投稿を行う目的、ゴールを意識して、それを達成するためにふさわしい「中の人」のキャラクターを固めましょう。ポイントは「親しみやすさ」と「信頼感」です。それでは、これから具体的な方法をご説明しますね!
飯根:はい、お願いします!飯根自身も、理想的な「中の人」のキャラクターに近づけるように努力していきます!