ニュータニックス・ジャパンは6月21日、5月7～9日に米カリフォルニア州アナハイムで開催した同社のプライベートイベント「.NEXT Conference 2019 in Anaheim」での発表内容を国内向けに紹介するプレス向け説明会を開催した。
米Nutanix コーポレートバイスプレジデント兼ニュータニックス・ジャパン社長の町田栄作氏
米Nutanix コーポレートバイスプレジデント兼ニュータニックス・ジャパン社長の町田栄作氏は、2019年が同社設立から10周年であることを紹介した。2016年9月にNASDAQ上場を果たしたことにも触れつつ、「次の10年に向けて新しいことにチャレンジしていかなくてはいけない節目の年」だと位置付けた。
Nutanixの主要機能のポートフォリオ。“*”が付いているのが新たに公表された開発中の新機能（出典：ニュータニックス）
また、同社の現況について「1年前とは様変わりしている」という。同社は、ハイパーバイザーのベンダー、コンピューティングプラットフォームのベンダー、クラウドベンダーのいずれも、主要なプレーヤー全てとパートナーシップを確立しているとした上で、ベンダーロックインに陥らないさまざまな粒度での自由度をユーザーに提供することを継続していくと語った。なお、従来の「.NEXT Conference」は世界を巡回する過程で東京でも開催されていたが、2019年から日本は、米国や欧州と並ぶ位置付けに格上げされたといい、東京と大阪、名古屋、福岡、札幌の5都市で開催することも併せて発表した。
ニュータニックス・ジャパン テクニカルエバンジェリストの島崎聡史氏
「.NEXT Conference 2019」での発表概要について、テクニカルエバンジェリストの島崎聡史氏は、まず同社がコンセプトとして掲げる「エンタープライズコンピューティング環境をインビジブル（invisible：不可視）に」という点は不変だが、ITインフラを対象としたハイパーコンバージドインフラストラクチャー（HCI）に続き、データセンターの不可視化（1-Click Private Cloud）、さらにマルチクラウド環境の不可視化（1-Click Multi Cloud）と、対象となるインフラの規模が段階的に拡大していると説明。同社製品の機能を、「Nutanix Core」「Nutanix Essentials」「Nutanix Enterprise」の3つのレイヤーに分類・整理し、それぞれについて開発状況や進捗度合いなどを紹介した。
なお、「Core」はコア機能、「Essentials」は基本機能と理解すればよさそうだが、「Enterprise」は企業向け機能という意味ではなく、「先進的／挑戦的な機能の意味」（島崎氏）だという。Coreに関しては、HCIの中核を構成する「AOS」、ハイパーバイザーの「AHV」、インフラ管理の「Prism」が含まれるが、この部分でも対応するハードウェア技術として、例えばSSDからIntel Optaneなどの不揮発性メモリ技術への移行が始まりつつあったり、SAS/SATAからNVMeへの移行であったり、ネットワークの10GbEから25/100GbEへの移行など、サポートすべきテクノロジーの進化が継続していることから、コア機能についても継続的なイノベーションが必要だという。
Nutanix Mineの概要（出典：ニュータニックス）
この他にEssentialsでは、セカンダリーストレージプラットフォーム「Nutanix Mine」や、スケールアウト型ファイルサービス「Nutanix Files」が、EnterpriseではAmazon Wen Services（AWS） S3互換のオブジェクトストレージ「Nutanix Buckets」、ワンクリックデータベースプロビジョニング「Nutanix Era」など、多数の機能についても紹介した。
Nutanix Bucketsの概要（出典：ニュータニックス）
