米国防総省(DoD)は米国時間10月25日、同省が進める100億ドル(約1兆1000億円)規模の「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)プロジェクトの契約先としてMicrosoftを選定したと発表した。
提供:ZDNet
JEDIの入札プロセスが進む過程で、多くの人々はAmazonが契約を勝ち取るだろうと考えていた。そしてプロセスの終盤には、この単一ベンダー独占契約をめぐって争う企業はAmazonとMicrosoftの2社に絞られていた。Googleは2018年10月に入札プロセスへの参加を取りやめ、OracleとIBMは2019年4月に要件を満たしていないとして選に漏れていた。しかし、DoDは8月にJEDIプロジェクトの契約プロセスを一時中断すると発表した。中断が発表される前には、このプロセスで利害関係が衝突する可能性について、Donald Trump米大統領が不満を表明していた。Amazonの最高経営責任者(CEO)Jeff Bezos氏はThe Washington Postを保有していることなどから、Trump米大統領は政治的な頭痛の種としてBezos氏に矛先を向けてきた。
JEDIプロジェクトの目的は、レガシーシステムをクラウドサービスによってアップグレードすることだ。当初の提案書では「『JEDI Cloud』は、エンタープライズレベルの商用IaaSおよびPaaSを、DoDやDoDのすべての業務やミッションの運用に関わるミッションパートナーに提供する」と説明されている。この契約は、10年間で100億ドルにおよぶ可能性があるとされていた。
DoDのプレスリリースには次のように記されている。
「DoDは本日、Microsoftとのエンタープライズグレードの汎用クラウド契約の締結を決定し、われわれのクラウド戦略を実装するうえでの次なる段階に足を踏み出した。これは、DoDのニーズが多様化し、単独のサプライヤーではまかないきれなくなってきているなか、マルチベンダーによるマルチクラウド環境におけるわれわれの戦略を継続するものだ。この契約によって、3つの機密レベルすべてに対応した近代的なクラウドインフラを戦術上の最前線にもたらすことで、軍における重要かつ現在対処されていない要求に取り組んでいくことになる」
プレスリリースでは、DoDが過去2年間にわたってさまざまな入札企業に対して多様なクラウド契約をもたらしてきたことにも触れている。
JEDIの基本契約期間は2年間であり、100万ドル(約1億900万円)が保証されている。
またプレスリリースでは、「ユーザーの採用により、2年間という基本期間内で推定2億1000万ドル(約230億円)の支出が発生すると予測している。DoDはあらゆる選択肢を実行に移す前に、契約の状況を厳格に再審査することになる」と説明されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。