Salesforceは米国時間2月25日、経営陣の一部を刷新すると発表した。また、インダストリークラウドを手がけるVlocityを13億3000万ドルで買収することを発表した。
共同最高経営責任者(CEO)のKeith Block氏が退任し、Marc Benioff氏が引き続き会長、そして単独のCEOとなる。Block氏はCEOの顧問として同社にとどまる。
Block氏は2013年にSalesforceに入社し、2016年に最高執行責任者(COO)に就任。2018年8月には、共同CEOに指名された。事業を成長させ、業務を執行する能力に優れたBlock氏を共同CEOに据えることで、共同創業者のBenioff氏が注力するビジョンと技術革新を補完することが期待された。Salesforceに入社する前、Block氏はOracleに26年間務めた経歴を持つ。Oracleの職を辞した際は円満ではなかったとされている。
Block氏は声明の中で、「Marcと共にチームを率いたことは私にとって最高の名誉だ。チームは、私が入社した2013年に40億ドルだった売上高を2019年には170億ドルへと4倍に増やした」とし、「現在、当社はグローバルなエンタープライズ企業であり、さまざまな業界にフォーカスしている。そして、業界がうらやむようなエコシステムを有している。私は従業員と顧客、パートナーに非常に感謝している」と述べた。
Benioff氏は電話会議で、Block氏について、「素晴らしいリーダーであると同時に親しい友人でもある。Salesforceをグローバルリーダーに押し上げる上で尽力し、当社を大幅に強化してくれた」と評した。
さらにBenioff氏は、「私は彼の最大の支持者であり、彼の親友だ。私は彼の旅路を支援する」とした。
またSalesforceは、インダストリークラウドやモバイルソフトウェアを提供するVlocityを約13億3000万ドル(約1480億円)で買収する計画も発表した。買収手続きは、2021会計年度第2四半期に完了する見通しだ。
VlocityはSalesforceのプラットフォームにネイティブに構築され、通信、メディアおよびエンターテインメント、エネルギー、公益事業、保険、医療、政府官公庁など、さまざまな業界にサービスを提供していた。
またSalesforceは同日、2020会計年度第4四半期決算(1月31日締め)を発表した。予想を上回る結果となった。
非GAAPベースの1株当たり利益は66セント、売上高は前年同期比35%増の48億5000万ドルとなった。
アナリストは1株当たり利益を55セント、売上高を47億5000万ドルと予想していた。
通期では、売上高が前年比29%増の171億ドルで、非GAAPベースの希薄化後1株あたり利益は2.99ドルだった。
第4四半期のサブスクリプションとサポートの売上高は前年同期比35%増の45億6000万ドル、プロフェッショナルサービスとその他の売上高は前年同期比26%増の2億8800万ドルだった。
通期のサブスクリプションとサポートの売上高は前年比29%増の160億ドル、プロフェッショナルサービスとその他の売上高は21%増の11億ドルとなった。
Salesforceは2021会計年度第1四半期について、売上高の見通しを引き上げ、48億7500万~48億8500万ドルとしている。
また、Gavin Patterson氏が新プレジデント兼Salesforce InternationalのCEOに就任する。Patterson氏は9月に欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の会長に就任した。それ以前にはBT GroupのCEOを務めた経歴を持つ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。