海外コメンタリー

4年で売上高倍増目指すセールスフォース、「Customer 360 Truth」の可能性

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-11-29 06:30

 Salesforceは長年にわたって、同社のクラウドサービスを中心として発展したエコシステムを売りにしてきた。しかし「Dreamforce 2019」での同社は、新しい仕事やワークフローの創出を後押しするだけでなく、既存のビジネスバリューを同社の周囲に集めようとしているという印象を与えた。

 Salesforceの最高経営責任者(CEO)Marc Benioff氏は、基調講演で「私たちはコミュニティとして、すべてのパートナーを引き込もうとしている」と語った。同氏はこの話をするとき、Salesforceを中心として、その周囲に大手IT企業(具体的には、Microsoft、Apple、AWS、Google、IBM、HPE、Cisco、Dell、Alibaba)の名前を配置したスライドを示した。

Salesforceとその主なパートナー

 「わが社はあらゆる大手IT企業とパートナーシップを結んでおり、関係性を築こうとしている」と同氏は言う。「わが社は、顧客がSalesforce以外の技術を使っていることを知っているし、どんな企業とも協力していくと約束する。私たちはパートナーの間に境界を作らない。(中略)1つのコミュニティとしてサービスを提供していく」

 あらゆる企業と協力するというのは言いすぎかもしれない。実際、Salesforceの共同CEOであるKeith Block氏は、サンフランシスコの野球場である「Oracle Park」で開催されたDreamforceのイベントの1つに言及する際、「Oracle」という名前に触れさえせず、「以前AT&T Parkと呼ばれていた球場」で開催されるとしか言わなかった。

 それでも、G2のアプリケーション調査担当バイスプレジデントRobert Mahowald氏は米ZDNetに対し、次のように述べている。「Salesforceは今や売上高170億ドル規模の企業で、多くの業界で強い求心力を持っており、Macy'sやShellなどをはじめとする多くの大手企業を顧客に抱えているため、あらゆるテクノロジーを結びつける原動力になり得る。これは同社以外のテクノロジーも含めての話だ」

売上高の推移予想

 2020会計年度に約170億ドル(約1兆8600億円)規模の売上高を上げる見通しである同社は、アナリスト向けのセッションで、2024年の売上高をその倍の340億ドル~350億ドルまで伸ばすと予定だと述べている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]