報道に携わるわれわれの多くはここ数カ月、Microsoftのクラウド/人工知能(AI)担当エグゼクティブバイスプレジデントであるScott Guthrie氏のことが気になっていた。同氏はいつも、イベントやTwitterで存在感を発揮していたが、2019年後半は姿を見せなくなっていたため、さまざまなうわさ(Microsoftで新たな仕事を手がけているとか、IBMに転職してそのクラウド事業を手がけるようになるとか、退職してベンチャーキャピタリストになるための準備を整えているとか、ギーク向けの独自のファッションブランドを立ち上げるといったもの)が飛び交っていた。
提供:Microsoft
しかし同氏は年次カンファレンス「Build 2020」のセッションに登場した。筆者は同氏に質問する時間を手にできることを願っていたものの、同氏は引く手あまただ。それでも筆者は、いくつかの質問を同氏のもとに届けた。
以下は、Guthrie氏に対する5つの質問と、同氏からの公式回答、そして筆者が妄想していた同氏からの回答だ。
——Scottさん、今までどこにいたのですか?あなたの赤いシャツ姿を見なくなって寂しい思いをしていたのですよ(実際のところ、スーツ姿のあなたを最近2、3度見かけていたので、活動はしていたのでしょうが、お忍びの仕事だったのでしょうか?)。
Guthrie氏 実のところ、ここ2~3カ月はとても忙しかったのです。
私の仕事はMicrosoftのクラウドおよびAI部門(これには「Microsoft Azure」や「Microsoft Dynamics 365」「Microsoft Power Platform」「Microsoft SQL Server」、データ+AI+データアナリティクスの製品/サービス、「Microsoft Visual Studio」(VS)、「.NET」「GitHub」、アイデンティティーおよびセキュリティ製品、「HoloLens」「Windows Server」、「Windows OS」のコアが含まれます)の切り盛りです。
私は大半の時間を、エンジニアリングチームの指揮や、顧客やパートナーとの連携に費やしています。それでも私は相変わらず、赤いシャツを着て(たまには、よりフォーマルなイベントのためにスーツも着用しています)多くのプレゼンテーションをこなしています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが発生する前の6カ月間には、米国に加えて欧州やアジア、中東の各地に出かけ、プレゼンテーションや基調講演を行いました。
「Ignite 2019」カンファレンスでは基調講演の壇上には立ちませんでした(私のチームの4人のリーダー、すなわちJason Zander氏とJames Phillips氏、Julia Liuson氏、Joy Chik氏がそれぞれ、Azureとビジネスアプリ、開発者、アイデンティティーについての基調講演を行いました)。
(Guthrie氏は、Buildの基調講演や質疑応答で赤いシャツを着ていた)。
筆者が妄想していた同氏からの答え:Jeff Bezos氏の仕事に就くための面接を受けた後(そして、厄介さに見合うだけの価値が得られないと判断した後)、「自分自身を磨く時間」を少しばかり設けました。そして、「Azure Fabric Controller」をRustで書き直しました。その後、チェロの演奏技術をマスターしました。さらに、著作家でもあるAzure担当最高技術責任者(CTO)Mark Russinovich氏を見習って、Elon Musk氏がジョーカーとして登場するサイバー犯罪スリラーの執筆に着手しました。