DockerとAmazon Web Services(AWS)は米国時間7月9日、「Docker Compose」「Docker Desktop」「Docker Hub」から、「AWS Fargate」を使用した「Amazon ECS(Elastic Container Service)」にコンテナーをデプロイし、管理する作業を容易にする仕組みを導入したと発表した。
Dockerコンテナーはあらゆるところで使える。そして多くの開発者は、デスクトップ上でのアプリケーションの開発にDocker DesktopやDocker CLIを使っており、マルチコンテナーアプリケーションをYAMLファイルで定義し、Docker Composeで実行している。
問題は、これまで、Dockerのツールを使って作ったアプリケーションをデスクトップからAWSにデプロイする、簡単でシームレスな手段が存在しなかったことだ。これは、そのために必要なAmazon ECSのコンストラクトがDocker Composeの仕様に含まれていなかったためだ。Docker Composeのファイルを実行してECSにデプロイするためには、Dockerツールをいったん離れて、「Amazon VPC(Virtual Private Cloud)」「Amazon ECS Cluster」「Amazon ECS Task Definition」などをはじめとするAWSのリソースの設定を行わなければならなかった。
しかし今後は、Dockerのツールを使って開発を行う際に、AWSのリソースの設定を行う必要はなくなり、その作業はネイティブに処理されるようになる。今後は、新しいコンテキストを作成してそのコンテキストに切り替えたい場合、Docker Composeで「up」コマンドを実行するだけで、AWSのリソースが自動的に作成される。これによって、Dockerの開発者がECS上に本番アプリケーションをデプロイして実行する作業は、従来よりもずっと簡単になるという。
Dockerの最高経営責任者(CEO)Scott Johnston氏は、発表文の中で、「これは、DockerとAmazon ECSを使用してクラウドネイティブなアプリケーションを構築、共有、実行する開発者に、最高の体験を提供するための大きな一歩だ。この体験は、開発者がローカルで作業をして、同じ体験をAmazon ECSに本番スケールでデプロイできるようにするためにするもので、そのために必要な知識の幅を減らし、本番環境をデプロイするまでの時間を短縮する」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。