Snowflakeと世界最大規模の資産運用会社であるBlackRockがパートナーシップを結び、BlackRockの資産運用プラットフォーム「Aladdin」とSnowflakeのデータクラウドを組み合わせたサービスを提供すると発表した。
今回の連携により、Snowflakeは資産運用業界に大きな影響力を持つことになりそうだ。BlackRockは、このパートナーシップを元にSnowflakeの技術を利用したプラットフォーム「Aladdin Data Cloud」を提供する。
このサービスを利用すれば、AladdinのデータとAladdin以外のデータを組み合わせて、そのデータを「Aladdin Studio」で利用することができる。BlackRockのAladdinプラットフォームには、ウェルスマネジメント、会計、リスク管理、持続可能な投資のためのシステムなどが含まれている。
BlackRockのAladdin事業担当マネージングディレクター兼グローバル責任者Subhir Nair氏は、Aladdinは資金管理のためのOSとして機能すると述べている。「資金の管理は情報処理だ」とNair氏は言う。
Aladdinの最大のユーザーはBlackRockだが、Nair氏によれば、ほかにも200社以上のサードパーティーユーザーが存在するという。そのうち約半数はAladdinのすべての機能を使用しており、残る半数はこのシステムをリスク管理に使用している。
Aladdin Data Cloudの顧客は、Aladdinが提供するデータセットがあらかじめロードされた個別に集中管理されたデータストアを利用でき、このデータに独自のデータソースやサードパーティーのデータソースを加えることができる。
Nair氏によれば、同社の顧客はサードパーティーとのデータ接続を増やすことを求めているという。「データと対話したいという飽くなき欲求がある。私たちは以前からAPIを公開してプラットフォームを開放してきた」と同氏は言う。
そこにSnowflakeの出番がある。Aladdinには多くの機能があるが、Snowflakeのプラットフォームを利用することで、顧客が独自のデータセットを持ち込み、キュレーションを行ってサードパーティーのデータソースと組み合わせることができるようになる。
BlackRockは、Snowflakeによる「Powered by Snowflake」プログラムの設立パートナーとなる。このプログラムで、Snowflakeの専門知識を個別業界向けのプラットフォームに導入できるようになる。BlackRockは資産運用会社として最大級の規模を誇っている。
Snowflakeの最高経営責任者(CEO)Frank Slootman氏は、「私たちの目標は、統合されたセキュアなデータ環境でデータを利用、管理し、データに基づいて活動するための金融サービスの新たな業界標準を生み出すことだ」とコメントした。
Snowflakeの金融サービス担当責任者Matt Glickman氏は、AladdinとSnowflakeの組み合わせは、投資マネジメントの進化に対応するとし、「さらなる人々がポートフォリオの取引を行い、Pythonのコードを書けるようになる」と述べた。「ユーザーがともにサービスを構築できるようにする狙いがある」(Glickman氏)
Aladdin Data CloudはAladdinの既存顧客向けの追加サービスとして提供されるようだ。Nair氏は、Snowflakeとのパートナーシップに顧客から強い関心が寄せられていると述べた。Aladdinは、Snowflakeが新たな顧客との関係を築く手段となるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。