Gartnerの新たな調査「2022 CIO and Technology Executive Survey」によると、最高情報責任者(CIO)の多くが2021年および2022年の投資は人工知能(AI)や分散クラウドテクノロジーに軸足を置く計画だという。
この調査は、85カ国にわたる2387人のCIOやテクノロジー幹部を対象としており、回答者の組織の売上高/公的予算は総計で約9兆ドル(約1022兆円)、IT支出は約1980億ドル(約22兆5000億円)にもなる。なお、この調査では「ビジネスのコンポーザビリティー(構成可能性)」に焦点が当てられており、これには組織のイノベーションや、変化する業務ニーズへの迅速な対応を可能にするマインドセットやテクノロジー、一連の運営能力が関与してくる。
Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデントであるMonika Sinha氏によると、ビジネスのコンポーザビリティーは「不安定な状況を打破する手段」なのだという。
Sinha氏は「コンポーザビリティーを高いレベルで実現している組織を率いるCIOの63%は、この1年のビジネスパフォーマンスが同業者や競合他社よりも高かったと答えている。またコンポーザビリティーを高いレベルで実現している組織は、テクノロジーを通じた新たなバリューストリームの追求にも長けている」と述べ、同調査の結果は「Gartner IT Symposium/Xpo Americas」で発表されたと付け加えた。
同調査では、2022年に計画されている投資のトップはサイバー/情報セキュリティとなっており、回答者の66%が今後の1年で同分野への投資を増やすと答えている。
また回答者の半数以上が、ビジネスインテリジェンスおよびデータアナリティクスへの投資に重点を置く計画だと答えている。
「サイバーセキュリティを取り巻く環境の厳しさが増す中、この分野に対する投資の必要性が叫ばれ続けている。高いレベルのコンポーザビリティーは、サイバーセキュリティインシデントが発生した際の組織の迅速な復旧に役立つとともに、影響を最小限に抑えることにもつなげられるだろう」(Sinha氏)
Gartnerによると、高いレベルのコンポーザビリティーを実現している組織のCIOやテクノロジー幹部は、2022年に売上高が約7.7%増加し、IT予算が約4.2%増加すると見込んでいるという。一方、コンポーザビリティーのレベルが低い組織では、これらの値はそれぞれ3.4%と3.1%になっているという。
Sinha氏によると、コンポーザビリティーのレベルが高い組織の多くは、変化により容易に対処するための継続的かつ反復的なアクティビティーを目的とした戦略的な計画および予算を策定しているという。