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ビジネスとテクノロジーのコンポーザビリティー

分解と再構築で激動の時代を生き残る「コンポーザビリティー」という考え方

原水真一 (サイトコア)

2021-10-04 06:30

 政治、経済、社会の状況、技術トレンドなどあらゆる物事が絶え間なく変化し、一寸先は闇と思えるほど、先の読めない時代に突入している。ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の流行や個人情報保護規制の強化、5G(第5世代移動体通信)のサービス開始を含め、社会およびビジネスに大きな変化の波が訪れており、企業は多種多様な課題への解決を探しに奔走せざるを得ない。特にコロナ禍への対応は企業により大きく異なっており、対応に成功した企業とそうでない企業で、明暗がはっきりと分かれている。その要因の一つとして挙げたのいが「小回りの良さ」だ。

 コロナ禍に適応しビジネスを成長させている企業は、急浮上した課題に迅速かつ柔軟に対処可能なビジネスモデルやインフラ、社内体制などを整備している。このような「小回りの良い企業」は、しばしば「コンポーザブルな企業」と表現され、激動の時代における一つの正解例として取り上げられ始めている。

 この連載では、ビジネスにおいて「コンポーザビリティー」とは何を意味するのか、コンポーザビリティーの高いビジネスを作り上げるためには何が必要なのかをひも解いていく。

コンポーザビリティーの向上が企業に可変性をもたらす

 コンポーザビリティー(構成可能性)は、特定の物事を要素や部品に分解した上で、再構成することが可能な構造を指している。そして、「コンポーザブルな企業」というのは、企業を構成する物事を要素や部品に分解し、再構成する能力を持った企業だ。

 コンポーザブルな企業は、外部環境の急速な変化などにより、それまでのビジネスモデルが成立しない状況に陥ったとしても、今あるビジネスを分解し状況に合わせて再構成することにより、迅速かつ柔軟に変化に適応できる。

 2020年、突如として始まったコロナ禍により、多くのビジネスが大きな打撃を受けた。特に、飲食業や観光業はビジネスモデルの転換が急務とされているが、多くの企業はいまだに光明を見いだせずにいる。

 しかし、一部の企業は自社のリソースやシステムを再構成し、新たな収益源の創出や売り上げの向上を達成している。ある飲食店グループは、席の予約やクーポン利用、ポイント獲得などの機能を持った来店促進アプリをユーザーに提供していた。コロナ禍によって同社は、このアプリを「ファンとのコミュニケーションの場」と再定義し、提携を開始したデリバリーアプリや自社のECサイトの情報を発信し誘導することで、店舗に限定されない新規ビジネスを主たるビジネスへと成長させることに成功した。

 言い換えれば、コロナ禍において迅速な対応で自社のビジネスの変革に乗り出すことができた企業は、同じブロックでも組み合わせ方次第で全く違うものを作り上げられるように、ビジネスにおいても自社の構成要素を別の形に組み上げれば、新たなビジネスを生み出せることを理解していたわけだ。

 もちろん、企業の意思決定層がコンポーザビリティーを理解しているというだけではコンポーザブルな組織を作り上げることはできない。現代のビジネスにおいては、企業活動の根幹を支えるシステムや蓄積されているデータがコンポーザブルな状態になっている必要がある。

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