Microsoft傘下のコード共有サービスであるGitHubが実施した調査で、多くの開発者は新型コロナウイルスの感染拡大前もリモートワークで働いていたが、今ではほとんどの開発者が、コロナ禍の終息後にオフィス勤務への復帰を求められることはないと考えていることが明らかになった。
GitHubが公開したレポート「2021 State of the Octoverse」によれば、コロナ禍が広がる前でさえ、1つのオフィスに集まってフルタイムまたはパートタイムで勤務していた開発者は41%しかいなかったが、コロナ禍が終息したら、そのようなオフィス勤務に復帰する見込みだと回答した開発者はわずか10.7%だった。今回の調査では、400万超のリポジトリーからのテレメトリーと、開発者1万2000人の調査を組み合わせている。
Microsoftは、当面の間は多くの人がハイブリッドワークで働くことになると主張しているが、今回の調査でそれが裏付けられた形になる。開発者の28.1%は、コロナ禍が始まる前も、オフィスに勤務するチームメンバーとリモートで働くメンバーがいるハイブリッドな形態で働いていたが、47.8%はコロナ禍後もこのようなハイブリッドな形の働き方になると考えている。
また、回答者の26.5%は、コロナ禍以前には全てのチームメンバーがリモートで働いていたとしているが、現在では、コロナ禍後に全員がリモートワークになると予想している回答者は38.8%に上っている。
GitHubによれば、2021年にはリモートワークとハイブリッドワークのパラダイムシフトが深まる中、生産性がコロナ禍前の水準に戻りつつある。
レポートでは、プルリクエストのマージ時間などのデータから、「過去2年間を比較すると、仕事のリズムはコロナ禍以前の水準まで戻りつつあると言える」と述べている。
また、GitHubでよく使われている言語のランキングには、2020年からほとんど変化がなかったことも明らかになった。2018年から2020年にかけては、PythonとMicrosoftが開発したJavaScriptのスーパーセット言語であるTypeScriptの順位に大きな変化があった。
2021年のランキングの上位は2020年と同じで、首位はJavaScriptであり、Python、Java、TypeScript、C#、PHP、C++がそれに続いた。シェルは順位を1つ上げて8位になり、Cは9位にランクダウンした。Rubyは10位のままだった。
GitHubは、現在同サービスを利用している開発者の数は7300万人で、2021年中に1600万人の新規ユーザーを獲得したと述べている。また2021年中に作成されたリポジトリーの数は6100万に達し、1億7000万件のプルリクエストがプロジェクトにマージされたという。
GitHubが2019年にリリースしたDevOpsのための機能である「Actions」は、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)でワークフローの自動化を促進できる。大規模なリポジトリーがActionsを使い始めると、1日あたりのプルリクエストのマージが以前より61%増加し、ペースは31%速くなっているという。
GitHubでも有数の大規模プロジェクトであるDockerには、215カ国から63万2000人超のコントリビューターが参加しており、プロジェクトを構成するパッケージの数は4万9593個だった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。