GitHubは米国時間11月13日、サンフランシスコで開催中のユーザーカンファレンスGitHub Universeで、開発者の作業を効率化し、オープンソースコミュニティを支援するための新機能や既存機能の拡充を発表した。新しいモバイルアプリケーション「GitHub for mobile」が発表されたほか、ワークフローを自動化する「GitHub Actions」が正式リリースとなった。
新しいGitHub for mobileを利用すれば、開発者は、送られてくる通知の管理やコードレビュー、プルリクエストのマージ、フィードバックの共有といった作業を処理できる。GitHub for mobileは「iOS」向けのベータ版として提供され、「Android」版も近く登場する。
GitHubは、開発者がモバイル機器でコードを作成するとは考えていないが、デジタル製品の構築は、移動中に起こりうるコラボレーションのようなもので決まることも多い。GitHubのエンジニアリング担当バイスプレジデントのDana Lawson氏は米ZDNetに対し、そのように話した。
GitHubは、GitHub for mobileとともに、新しい通知のエクスペリエンスでそうした共同作業を改善しようとしている。通知メールを送りつけるのではなく、自社プラットフォームに直接、受信トレー風のユーザーインターフェース(UI)を設置する。ユーザーはカスタムのフィルターを設定することもできる。
新しい通知機能は現在、GitHub for mobileのユーザー向けにベータ提供されている。今後数カ月でGitHub.comの全ユーザーに段階的にロールアウトされる。
またGitHubは、GitHub Actionsと「GitHub Packages」の一般提供(GA)を発表している。いずれも、すべての開発者アカウントの一部となり、利用時間やストレージ使用量、データ転送量に関係なく利用できる。また、すべてのパブリックレポジトリーで無料で利用できる。
GitHub Actionsは、2018年にベータ版が公開され、現在コミュニティの開発したワークフローが「GitHub Marketplace」で1200以上提供されている。
GitHubは、セルフホストランナーやアーティファクトキャッシング、「Raspberry Pi」などのARMベースのアーキテクチャーでGitHub Actionsを実行する機能も無料で利用できるようにする。
GitHub Packagesは、パブリックパッケージやプライベートパッケージをソースコードと一緒に公開しやすくするパッケージ管理サービスだ。ベータ版の導入以来、3万件を超えるパッケージがアップロードされている。
またGitHubは、オープンソースコミュニティを支援する「GitHub Sponsors」の対象をプロジェクトにも拡大することも発表した。5月に発表されたGitHub Sponsorsは当初、個人の開発者がコントリビューションに対して支払いを受けられるサービスだったが、今後はチーム全体が支援を受けられるようになる。
Lawson氏は、「コーディングをチームスポーツのように考えたい」と述べ、「勝利も敗北もチームのものだ。報酬もチームで受けられる方がいいだろう」と話した。
GitHubでトップクラスのオープンソースのメンテナーの一部は、GitHub Sponsorsを利用しており、「いつか、コミュニティに恩返しをしながら自活できる」ようにしたいと考えているとLawson氏は述べた。
さらにGitHubは、GitHub Sponsorsを比較的遅いペースで慎重に拡大し、「人々が長期的な成功に備えられるようにしている」とLawson氏は説明した。出資の決定プロセスについて、透明性を高め、コントリビューターとインサイトを共有することが必要になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。