IEEE Spectrum誌のプログラミング言語人気ランキング2021年版によると、Pythonは依然としてJavaやJavaScriptを抑え、人気言語のリーダーに君臨している。
IEEE Spectrum誌は米電気電子技術者協会(IEEE)のメンバーなどを対象にした調査に基づき毎年、プログラミング言語の人気ランキングを発表している。
そして同誌は今年も、Pythonを最も人気の高いプログラミング言語だと発表した。この言語は比較的学習が容易であるとともに、「Tensor Flow」や「NumPy」「SciPy」といった、データ科学や機械学習(ML)の分野で利用できる洗練されたライブラリーを擁する健全なエコシステムを有しているため、著しい成長を遂げてきている。
同誌によると、インタープリター型のオブジェクト指向言語であるPythonは「MLや科学技術計算向けに普及しているモジュールを含む、膨大な数のライブラリーから大きな力を得ている」という。そして同誌は、Pythonが「新規テクノロジーのデファクトプラットフォームとして君臨している」点から、この調査がもたらす最大のメッセージは「Pythonを学ぼう」というものだと述べている。
同誌は「頭のてっぺんからつま先までPythonに染まってしまう必要はないが、Python向けに開発された膨大な数のライブラリーを使いこなせるよう、この言語の学習に時間をかける価値はあるはずだ」と記している。
IEEE Spectrum誌の2021年版ランキングではPythonに続き、JavaとC、C++、JavaScript、C#、R、Go、HTML、Swiftが10位までとして挙げられている。
さらに20位までのランキングは、ArduinoとMATLAB、PHP、Dart、SQL、Ruby、Rust、アセンブリー言語、Kotlin、Juliaとなっている。
同誌のランキングは、どの言語に学習時間を割く価値があるのかを示す指標の1つだ。ただ、調査対象はIEEEのメンバーである電気関係のエンジニアがベースになっており、それによる影響があるという点で、TIOBE Softwareや、開発者の調査を手掛けるRedMonkといった他の企業による著名な人気言語指標とは異なった結果になっている。
Stack OverflowやGitHubからのデータを用いて言語の人気ランキングをまとめているRedMonkは、最新のレポートでJavaScriptを首位に挙げており、その後にPythonとJavaを挙げている。また、検索エンジンに対するクエリーを用いているTIOBEの指標は、Cを首位に、その後に続いてPythonとJava、C++、C#を挙げている。