BYODを始める組織のためのヒント--増大する通信コストとどうつきあうか

David Snow (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2012-05-30 07:30

 企業がBYOD(Bring Your Own Device、私物デバイスの持ち込み)プログラムを成功させるには、モバイル関連経費を管理する方法を正しく理解する必要がある。この記事では、BYODプログラムを成功に導くのに役立つ、いくつかのヒントとベストプラクティスを説明する。

 BYODの流行は、企業のモバイル活用をまったく違うレベルに高めようとしている。この1年ほど、業務の合理化と職場の生産性向上を目的として、多くの企業が従業員にスマートフォンやタブレットのようなモバイルデバイスを持たせ始めている。

 Ford、Nordstrom、The Home Depot、あるいは英国議会といった大きな組織が、従業員や職員にモバイルデバイスを持たせ始めている。世界第2位の規模のホームセンターチェーンであるLowe'sは、大規模な「iPad」導入計画(175店舗に4万2000台)を発表し、企業のモバイル活用に大きな変化が起こっていることを知らしめた。

 BYODが企業環境でかなり普及してきていることは明白だ。BTが最近行った調査によれば、今では従業員の60%が私物のデバイスを仕事に使っている。この調査によれば、調査対象の企業の82%がすでにBYODプログラムを持っているか、2013年ごろまでにプログラムを用意する予定だ。

 BYODは、企業で増えつつあるデータを大量に扱うデバイスの導入に大きな影響を与えている。これらのデバイスが生産性の向上やプロセスの合理化、従業員満足度の向上によい影響を与えるのは確かかもしれないが、ほとんどの企業では、タブレットやスマートフォン、その他のモバイルデバイスの組織内での全面的な導入については、まだ準備ができていないというのが現状だ。

 これらのデバイスは、仕事にも遊びにも1つのデバイスを使う、常に接続された世界を作り出すことによって、従業員の仕事の仕方を明らかに変えている。問題は、これらのデバイスが企業のITのコスト構造も変えてしまい、企業と従業員のモバイル経費を大きく増やしてしまうということだ。今では、企業はオフィスのあらゆる場所に無線LANを設置し、大量に消費されるデータと、それに応じてデバイスごとに毎月支払われる料金を支える料金プランを持つ必要がある。最近では、BYODでApple製品の会社への導入に成功したという記事もあるが、残念ながらそういった経費面の問題については、Appleは何もしてくれない。

 多くの組織に共通の課題は、それらのデバイスに付随する様々な料金や経費を、1つの枠の中で管理する必要があるという点だ。

 もう1つ重要な点は、より高速でよりよいモバイルデバイスの導入は、企業をより革新的で最先端に保つのに役立つと同時に、職場の体験とIT部門の役割を永久に変えてしまおうとしているということだ。多くの従業員がまったく異なるデバイスを使うという複雑さに対応するため、IT部門は積極的な役割を果たし、デバイスの通信費(キャリアも料金プランも異なる場合が多い)を管理し、金が無駄にならないようにすべての分担金や支払額のバランスを取り、それと同時に従業員の使いたいデバイスが仕事のデータにアクセスできずに士気や生産性を下げるようなことが起こるのを防ぐ必要がある。

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