Advanced Micro Devices(AMD)は8月15日、かねてから今夏にリリース予定とされていたサーバ用プロセッサ「AMD Opteron」の最新版を発表した。メモリがDDR2対応となったほか、仮想化技術「AMD Virtualization」(AMD-V)により、ハードウェアレベルで仮想化をサポートしている。
これまでのOpteronでは、メモリにDDR1を採用していた。AMDでは、DDR2メモリの価格が安価となってきたことや、DDR2が他のメモリより消費電力が少ないことなどから、新プロセッサでDDR2を採用することとなった。AMDによると、DDR2の消費電力は、DDR1より30%少なく、FBDIMM(Fully Buffered DIMM)より58%少ないという。なお、Opteronの競合製品とされているインテルのXeonは、FBDIMMを採用している。
AMD-Vは、ソフトウェアの仮想化機能をハードウェアレベルでも一部支援するものだ。通常、OSとCPUの関係は1対1となっているため、OSは直接CPUにアクセスするが、仮想化環境では複数のOSが存在し、それぞれのOSがCPUにアクセスしようとする。そこで仮想化ソフトウェアは、命令をCPUに直接送るのではなく、仮想化ソフトを介すよう、ゲストOSに改変を加える。それが、CPUに仮想化機能を持たせると、CPU自身がゲストOSからの命令を認識できるため、ゲストOSへの改変は必要ない。そのためOSの信頼性や保守性が高くなり、仮想化処理のパフォーマンスも向上する。
インテルのCPUにも「インテル バーチャライゼーション・テクノロジ」(VT)が採用されているが、AMDでは「インテルのVTはメモリコントローラハブが仮想化に対応していないため、ソフトウェアによるメモリ管理の負担が増大する。これがパフォーマンス面でのボトルネックになる。一方、AMDのダイレクトコネクトアーキテクチャでは、I/Oアクセスとメモリアクセスを分割しているため、ゲストアプリケーションの性能を低下させるボトルネックがない」としている。
新しく発表されたOpteronは、4桁のモデルナンバーを利用しており、1000シリーズが1Pのみ、2000シリーズが2Pまで、8000シリーズが8Pまで拡張可能となる。数字の後のHEはローパワーモデル、SEはパフォーマンス向上に主眼を置いたハイパワーモデルとなる。スペックは以下の通りだ。