AMD、Opteronの最新版を発表

藤本京子(編集部)

2006-08-15 13:01

 Advanced Micro Devices(AMD)は8月15日、かねてから今夏にリリース予定とされていたサーバ用プロセッサ「AMD Opteron」の最新版を発表した。メモリがDDR2対応となったほか、仮想化技術「AMD Virtualization」(AMD-V)により、ハードウェアレベルで仮想化をサポートしている。

 これまでのOpteronでは、メモリにDDR1を採用していた。AMDでは、DDR2メモリの価格が安価となってきたことや、DDR2が他のメモリより消費電力が少ないことなどから、新プロセッサでDDR2を採用することとなった。AMDによると、DDR2の消費電力は、DDR1より30%少なく、FBDIMM(Fully Buffered DIMM)より58%少ないという。なお、Opteronの競合製品とされているインテルのXeonは、FBDIMMを採用している。

 AMD-Vは、ソフトウェアの仮想化機能をハードウェアレベルでも一部支援するものだ。通常、OSとCPUの関係は1対1となっているため、OSは直接CPUにアクセスするが、仮想化環境では複数のOSが存在し、それぞれのOSがCPUにアクセスしようとする。そこで仮想化ソフトウェアは、命令をCPUに直接送るのではなく、仮想化ソフトを介すよう、ゲストOSに改変を加える。それが、CPUに仮想化機能を持たせると、CPU自身がゲストOSからの命令を認識できるため、ゲストOSへの改変は必要ない。そのためOSの信頼性や保守性が高くなり、仮想化処理のパフォーマンスも向上する。

 インテルのCPUにも「インテル バーチャライゼーション・テクノロジ」(VT)が採用されているが、AMDでは「インテルのVTはメモリコントローラハブが仮想化に対応していないため、ソフトウェアによるメモリ管理の負担が増大する。これがパフォーマンス面でのボトルネックになる。一方、AMDのダイレクトコネクトアーキテクチャでは、I/Oアクセスとメモリアクセスを分割しているため、ゲストアプリケーションの性能を低下させるボトルネックがない」としている。

 新しく発表されたOpteronは、4桁のモデルナンバーを利用しており、1000シリーズが1Pのみ、2000シリーズが2Pまで、8000シリーズが8Pまで拡張可能となる。数字の後のHEはローパワーモデル、SEはパフォーマンス向上に主眼を置いたハイパワーモデルとなる。スペックは以下の通りだ。

Opteron

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  3. セキュリティ

    経営陣に伝わりづらい「EDR」の必要性、従来型EDRの運用課題を解決するヒントを解説

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    中小企業のDX奮闘記--都市伝説に騙されずに業務改善を実現したAI活用成功譚

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]