日本AMDは6月8日、テクノロジ戦略説明会を開催した。その中で米AMD 最高技術責任者(CTO)のPhil Hester氏は、サーバ向けプラットフォームにおいて「Torrenza」を推進すると述べた。
Torrenzaとは、特定の用途に適したサードパーティーのアクセラレータを利用してパフォーマンスを向上させるプラットフォームだ。これにより、例えばJavaやXML、メディア処理など、各アプリケーションに特化したコプロセッサを開発・展開し、マルチソケットのシステム内でAMDプのロセッサと連携できるようになる。
現時点では、Torrenzaの第1段階として、アクセラレータはCPUからHyperTransportを介してチップセットとつながる方式を取っている。今後は、CPUのソケット内にアクセラレータを実装する方法や、CPUとアクセラレータをパッケージ化する方法、コアの一部としてアクセラレータを統合する方法などにより、パフォーマンスを向上させる。
「Torrenzaにより、特定のアプリケーションに最適なパフォーマンスが実現する」と、Hester氏はアピールした。
また、Hester氏は「IntelのItaniumプロセッサに対するAMD製品のメリットは何か」という質問に対し、「システムで重要となるのはソフトウェアの互換性だ。Itaniumプロセッサは独特のアーキテクチャを持っており、ソフトウェアの開発もその分困難となる。サポートできる人員も限られるだろう。ソフトとハードの両面において、(AMDのOpteronは)Itaniumを超える」と述べた。
会場からはさらに「AMDにとって技術的に一番難しいことは何か」という質問が出た。これに対し同氏は、「技術的に難しいことは特にないが、市場においてオープンな競争が実現することが一番難しい」と述べた。なお、AMDは日本においても米国においても、Intelが独占禁止法に違反しているとして、損害賠償訴訟を起こしている。