インテルとAMD、仮想化技術をめぐる主導権争いが新局面に

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部) 2006年02月08日 13時09分

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 IntelとAdvanced Micro Devices(AMD)の仮想化技術をめぐる主導権争いが再開されようとしている。仮想化技術は、同時に複数のオペレーティングシステム(OS)を動作させることでコンピュータの効率性を向上させるものだ。

 Intelは米国時間7日に、同社の「Virtualization Technology(VT)」がすでに十分テストできる段階に達しており、約3カ月以内には正式に公開できることを発表するとみられている。一方、AMDは自社の仮想化技術「Pacifica」をコンピュータ間のデータのやりとりに関する標準にしようとしている。ただし、実際にPacificaを搭載するプロセッサが登場するのは今年半ば以降になりそうだ。

 両社はいずれも戦略的に重要な仮想化の分野で優位に立つことを狙っている。同時に複数のOSを動作させることが可能な仮想化技術は、かつてはハイエンドのメインフレームやUNIXサーバにしか搭載されていなかったが、いまではIntelの「Xeon」やAMDの「Opteron」などのx86プロセッサを積んだメインストリームのサーバにも実装されるようになっている。また、消費電力の増大が問題となっている現在、仮想化技術はこの問題を回避するための重要な手段のひとつとして注目を浴びている。

 Intelがハイエンドサーバ向けに出した最新のXeonプロセッサ(開発コード名「Paxville」)にはVT機能が搭載されていた。だが、同チップを採用したサーバではメーカー側の判断でこの機能が使えなかった。しかし、いまではDellやHewlett-Packard、IBMからそれぞれ新しいBIOSソフトウェアが出されており、こうした状況も変化しつつあると、IntelのLorie Wigle(Server Platforms Group、マーケティングディレクター)は述べている。

 「(VT搭載チップは)現在サーバメーカーで試験運用できる段階にあり、およそ3カ月以内には製造を開始できそうだ」(Wigle)

 VTは、デュアルプロセッササーバ用として広範に採用される予定の「Dempsey」チップにも搭載される。同チップを採用したシステムは今後数カ月以内に登場する予定だ。また、ItaniumプロセッサへのVT搭載も今年中に登場予定の「Montecito」で実現することになっている。なお、AMDの仮想化技術は今年半ばに出る「Opteron」の「Rev F」バージョンではじめて実装される。

 Wigleによると、新しい「VMware Server」はVTに対応しているという。VMware Serverは先ごろ新たに無料化されたソフトウェアパッケージで、1台のマシンを複数に分割し、それぞれのパーティション(バーチャルマシン)のなかで別々のOSを同時に動作させるというもの。

 VMware Server上で64ビットOSを動作させるにはVTが必要だ。さらに、VMwareと競合するオープンソース製品「Xen」も、VTを使えばOSを修正無しで動かすことができるため、Xenの上でWindowsを動かすことも可能になる。

 「仮想化」という言葉は広範な意味を含むが、一般的にはコンピュータのある要素が想定されている実際のものでなく仮想の基盤の上で動作できるようにする手法を指している。仮想化技術を使えばハードウェアの稼働効率を上げたり、ソフトウェアの再構成が容易にできるようになる。VTはプロセッサを仮想化するための技術だが、ただし第1世代のVTには入出力 (I/O) に関わるタスクの仮想化という部分が含まれていない。この作業はバーチャルマシンに各種のネットワークリソースへのダイレクトなチャネルを付与するものになると、Wigleは述べている。

 しかし、AMDはI/Oの仮想化の部分でIntelに対抗できると考えており、またソフトウェア/ハードウェアメーカー各社と提携してそのための作業を進めている。

 「2006年末までには、I/Oの仮想化技術を搭載した最初のハードウェア製品が登場する見込み」で、2007年には同技術をサポートしたPCも出てくると、AMDのMargaret Lewis(コマーシャルソリューション担当ディレクター)は言う。I/Oの仮想化はプロセッサ以外の部分にも関係することから、プロセッサと他のコンポーネントをつなぐチップセットメーカー各社のサポートが必要になると同氏は説明した。

 また、AMDは自社のアプローチを強化するため、I/O仮想化への自社のアプローチを記した一般向けの仕様を公開した。無料で使えるこの仕様には、同技術に対するお墨付きとなるVMwareおよびXenの声明も含まれている。

 ハードウェアの仮想化は現在でも有効な機能だが、将来はこれが必須となる場合もある。Microsoftでは「hypervisor」というソフトウェアの開発に取り組んでいる。これはXenやVMware ESX Serverと直接競合する技術だが、Microsoftによるとhypervisorを動かすにはハードウェア側でのサポートが必要になるという。

 Microsoftのhypervisor(開発コード名「Viridian」)が登場するは、同社の次世代Windowsサーバ製品となる「Longhorn Server」(開発コード名)のアップデート版になると、Wigleは述べている。

 Microsoftにとってhypervisorは優先課題だ。Windows責任者のJim Allchinは1月に行われたインタビューのなかで、同社が「Next Generation Secure Computing Base」(旧名「Palladium」)の開発を先に進めたいと考えているが、まずはhypervisorの開発を完了させなくてはならないと述べていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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