IBM、Oracle、BEA Systemsの各社SOA戦略およびSOAの実践アプローチについて、TIBCO Softwareのアジア太平洋地域 日本担当最高技術責任者(CTO)であるDaniel Ternes氏は、次のように語る。
「SOAに関するマーケティング的なメッセージは、IBMも、Oracleも、BEA Systemsも、そしてTIBCOも大きな違いはない。すべての会社のウェブサイトに“ウチの製品はSOAを実現できる”と書いてある。しかし各社のウェブサイトを読んでも“具体的にどうすればSOAを実現できるのか”という記述は見つからないことが多い」
たとえば、パイロットプログラムのレベルであれば、どの会社の製品を使ってもそれほど大差なくSOAを実現できる。しかし、パイロットプログラムから小規模プロジェクト、部門レベル、全社レベルと規模が大きくなるにつれ、SOA構築は複雑化し、各社製品の生産性やTCO(総保有コスト)にも違いが出てくる。
そこでTIBCOでは、SOA構築におけるIBM、Oracle、BEA、そしてTIBCOのアプローチに関する評価を、オープンソースのテスト自動化ツールを提供するPushToTestに依頼した。
ActiveMatrixはSOA開発コストを最大49%削減
PushToTestでは、独自に開発したサプライチェーン構築のシナリオにより、IBM、Oracle、BEA、TIBCOの各社製品を使用してSOAを構築した場合、どれだけの労力が必要かを比較している。
この調査結果では、SOAアプリケーション開発においてTIBCO製品は、BEAより49%、Oracleより35%、IBMより22%、コストが削減できることが報告されている。PushToTestは、TIBCO ActiveMatrixを「まだ完璧とは言えないが、SOA実現への正しい道だ」と評価した。
調査結果の詳細は、PushToTestのウェブサイトで公開されている。
Ternes氏は、「SOAの最大のメリットは、コスト面はもちろん、企業に機敏性をもたらすことができること。機敏性の根底にあるのはサービスをいか再利用できるかであり、サービスの再利用促進は新しいシステム構築を容易にする。さらに、企業の投資利益率(ROI)も左右する」と話す。