NTTデータは10月9日、欧州のSAPビジネス拡大を目的として、オランダの2B Interactiveとの資本提携を発表した。ドイツの子会社itelligenceが2B Interactiveと持株会社を設立、2B Interactiveはその傘下に入る。NTTデータによる事実上の買収だ。
2B Interactiveは従業員数約80人のITサービス企業。2008年12月期の売上高は1500万ユーロ(日本円で約20億円)と、規模はそれほど大きくない。(参考:NTTデータシステムズのオラクル事業は12億円の売上規模、NTTデータ先端技術で同2億円)
そのため今回の買収の目的は、事業地域拡大とノウハウの獲得という2点に集約できそうだ。
事業地域の拡大について、NTTデータは2008年1月にNTT Data Europeを通じてドイツのitelligenceを買収。itelligenceはドイツを中心とした欧州と米国で事業を展開しており、近接するオランダやベルギーでのプレゼンス強化を目的に2B Interactiveを買収したといえる。
SAPビジネスの強化では、2B Interactiveが得意とする教育機関向けSAPテンプレートと、その開発ノウハウの獲得が目的となった。今後、itelligenceは欧州全体と米国で教育機関向けの需要を掘り起こすことになる。
なお、NTTデータは今回の買収について「日系企業のグローバルサポートなど、NTTデータ本体のグローバル戦略ではなく、itelligenceのビジネス拡大を目的としている」とコメントしている。
そのため、今回はNTT Data Europeではなく、itelligenceが60%、2B Interactiveが40%を出資する持株会社を新設し、2B Interactiveをその傘下におさめるかたちでの買収となった。
NTTデータは9月、SAPビジネス強化を目的にオーストラリアのExtend Technologiesを買収。アジア太平洋地域でもSAPビジネスを強化している。