通信機器メーカーのコリジェントシステムズは6月8日、自社の伝送装置「CM-100」シリーズに、ストレージエリアネットワーク(SAN)にも対応できる新機能を追加したことを発表した。新機能は同社とKDDI研究所が共同で開発したインターフェースカードによるもの。
現在SANで利用されている通信規格であるファイバチャネル(FC)は、LANなどのネットワークとは独立して運用する必要がある。このため、同社でもSAN向けにはFC専用のCM-100を用意することで対応してきた。しかし、今回の新しいインターフェースカードの搭載により、1台のCM-100で対応できるようになった。
FCを使ったアプリケーションは低遅延などの問題があり、コリジェントとKDDI研究所は、問題を解決するためにFCフレームをカプセル化して、パケット転送方式のひとつである「MPLS(Multiple Protocol Label Switching)」に対応したパケットトランスポートと呼ばれるネットワーク上で伝送するための新しいメカニズムを開発し、実験に成功している。
コリジェントが提供する4ポートのFCモジュールは、1Gbpsや2Gbpsに対応しており、標準的なFCスイッチ(N、F、Eポート)に接続可能となっている。
FC規格に対応したインターフェースカードを開発したことで、コリジェントは、金融機関や大企業が公衆網を利用して低コストでSANを構築、拡張できるようになるとしている。