ストレージデバイス/ソフトウェアメーカーNetwork Applianceは米国時間16日、データセキュリティ企業Decruを2億7200万ドルで買収し、現金および株によって支払いをすることを決定したと発表した。
カリフォルニア州レッドウッドシティに本社を置くDecruは、企業や政府組織のNASシステム(Network Attached Storage)およびSAN(Storage Area Network)を保護するセキュリティアプライアンスを提供している。同社はまた、データ保存に関する規制やプライバシーの保護、業務を外部委託する際のセキュリティなどに関するデバイスも取り扱う。
NetAppの幹部は、Decruの買収により、NetAppは特にデータの暗号化に関わる同社のセキュリティ分野製品を補強することができると述べ、消費者データの盗難や悪用がたびたび報じられるようになった今日、そうしたセキュリティ技術に対する需要は急速に拡大していると指摘した。
NetAppのCEOであるDan Warmenhovenは、Decruには、他のセキュリティ企業と異なり、使い勝手のよいストレージセキュリティ製品を顧客に提供してきた実績があるとしている。
「市場の中でもこの分野は未成熟であり、製品の複雑さも相まって、企業からの引き合いはまだ多くはない。それでもDecruの製品の普及率は低くなく、わたしたちは同社をこの分野のマーケットリーダーであると認識している。企業顧客は、現行のセキュリティ対策をさらに強化することを望んでおり、また、諸規制に準拠するためにも、そうする必要に迫られている。そうしたニーズを満たす、導入が簡単で有望な製品は存在していなかったが、Decruが道を切り開いた」(Warmenhoven)
近頃では、Bank of Americaなどの大手企業における個人データの紛失が大きな社会問題となっているが、Warmenhovenは、こうした事態から、ユーザーがみずからのITネットワーク上に保管した情報を守るための新たなツールに事欠いていることがわかると述べている。
NetAppとDecruは、すでに1年間パートナーとして協業しており、両社のデバイスを統合したパッケージ製品もリリース済みだ。
NetAppによれば、Decruは、NetAppの競合企業が開発したテクノロジーと連携する製品を今後も提供していく予定だが、競合各社が本買収にどのような反応を示すのかはまだわからないという。Decruがパートナーシップを結んでいる企業には、EMCやHewlett-Packard、Hitachi Data Systems、IBMなど、NetAppの主立った競合企業が名を連ねている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ