インテンシアジャパンは2月21日、JavaベースのERP製品の最新版「Intentia Application Suite 5.2」(IAS5.2)を発表した。中堅企業をターゲットとし、同日より販売、出荷開始する。
IAS5.2は、カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM)をはじめ、エンタープライズマネジメント、サプライヤーリレーションシップマネジメント、サプライチェーンマネジメント、業績管理、ワークプレース管理、バリューチェーンコラボレーション、システム基盤およびツールといったアプリケーション群で構成されるスイート製品だ。ユーザーは、必要なアプリケーションを選んで購入できる。
今回のバージョンで改善された点として、各国固有の機能が導入の際に即時に提供できることがある。例えば、日本特有の月締請求対応において、締日に出荷される商品の請求書を自動的に次月分に回すなどの機能が追加された。
また、EセールスやE調達、ユーザーインターフェース構築ツールなどが、IBMのWebSphereに対応した。これにより、「サプライチェーンが効率化および自動化され、TCOの削減が可能になる」と、インテンシアジャパンのJohan Kullenberg氏は話す。
Kullenberg氏は、「海外製のERP製品と聞くと、導入に時間がかかるのではないか、日本固有の機能に対応していないのではないか、特定の技術に偏っているのではないかといった声もあるが、インテンシアの製品はこうした不安点を解決したものだ」と述べている。
インテンシアジャパン社長のKamal Sharma氏。「新規顧客20社獲得の自信はある」と強気だ。 |
同社の製品は、主にファッション業界や製造業、設備保全管理、食品業界などに特化している。特定の業界にフォーカスすることの利点について、インテンシアジャパン 社長のKamal Sharma氏は、「担当者が業界ならではの専門知識を持っているため、顧客に的確なサポートが提供できる」と述べている。また、業界に特化したテンプレートも用意しているため、「迅速な導入が可能だ」と言う。
IAS5.2が主なターゲットとしている中堅企業については、「世界的にはもちろん、特に日本で成長している市場だ」とSharma氏。同氏は、中堅企業がERP製品の導入に対してあまり積極的でないという点を認めた上で、「インテンシアではビジネス全体の70〜80%が中堅企業によるものであり、この分野での経験が豊富で対応方法もわかっている」と述べ、大手ERPベンダーよりもこの市場において有利だと主張した。
現在インテンシアジャパンの顧客数は70社程度だが、今回発表した製品により、「新規顧客を20社獲得する」(Sharma氏)としている。
IAS5.2は、受注管理や生産管理など、主要な製品を集めた場合のライセンス料が100ユーザー分で約2900万円となっている。