Sun Microsystemsは、エコロジーとエコノミーをキーワードとするさまざまな社会貢献活動を全世界で積極的に展開している。同社がカリフォルニア州サンフランシスコで開催している「2007 JavaOne Conference」においても、こうした活動がいくつか紹介されている。
JavaOne初日の基調講演でSunのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントであるRich Green氏は、「人類のために今あなたは何ができるかを考えなければならないときが来ている」と語り、国連ニューヨークオフィスでスポーツによる開発と平和を担当するディレクターであり、国連ユースサミットの議長を兼務するDr. Djibril Diallo氏をステージに招いた。
Sunでは、開発途上国の発展のために取り組んでいるDiallo氏の活動を、Sunのテクノロジにより支援してるという。Diallo氏は、「携帯端末を利用することで、さらに多くの人たちがインターネットにアクセスできるようになる。これにより、産業のより一層の発展や革新に貢献することができる。こうした取り組みを全世界で実現するために革新を続けていくことは非常に重要になる」と話している。
今回、JavaOneで発表された携帯電話向けアプリケーション統合開発環境である「JavaFX Mobile」もこうした取り組みの中のひとつとなる。Sunでは、JavaFX Mobileを携帯端末メーカーに提供することで、低価格の携帯電話、または携帯デバイスを開発してもらい、開発途上国の子どもたちに提供したい考えだ。
開発途上国の人たち、1人ひとりに携帯デバイスを提供することで、教育の機会や医療を受ける機会、世界の情報に触れることができる機会など、さまざまな機会を子どもたちに提供できるという。「The Network is The Computer(ネットワークこそがコンピュータである)」というSunのビジョンに基づく、同社ならではの取り組みといえる。
特に、あらゆる子どもたちに教育の機会を与える取り組みとして、Sun会長であるScott McNealy氏が取り組んでいるのが「Curriki(キュリキ)」という活動だ。
Currikiは、“カリキュラム(Curricuram)”と“ウィキ(Wiki)”を組み合わせた造語。WikiやSNS、ブラウザなど、さまざまなオープンソーステクノロジを活用することで教科書のデジタル化を実現する。これにより紙の教科書を制作するためのさまざまなコストを削減することも可能。そのための費用を社会貢献活動に使うことも可能になる。
McNealy氏は、「Currikiは、幼稚園から高等学校までの教科書をすべてデジタル化し、無償で提供するという取り組みだ。これにより、ネットワークにつながっているデバイスさえあれば、いつでも、どこでも、誰でも教育を受ける機会を得ることができる」と言う。
子どもたちがCurrikiを使うためには、好きなときにネットワーク接続が可能な低価格の携帯デバイスの提供が不可欠であり、それを実現するための取り組みのひとつがJavaFX Mobileの提供ということだ。
Sunの最高経営責任者(CEO)、Jonathan Schwartz氏は、同じく基調講演で、「JavaFX Mobileにより、30〜50ドルのJava搭載の携帯デバイスをOEMメーカーに開発してもらい、開発途上国のすべての子どもたちに提供したい。これにより、あらゆる子どもたちに教育の機会を提供することができる」と話している。