IHI(旧石川島播磨重工業)グループのシステム開発と運用を担う子会社IHIエスキューブは、ストレージサービスのシステム環境に日本IBMのディスクストレージ製品「IBM XIV Storage System」を採用し、ストレージクラウド環境を構築した。日本IBMが11月19日に発表した。
システムの導入と構築は日本IBMが担当した。受注金額は非公開だが、XIV Storage Systemの最少構成価格は約6000万円。4月上旬に導入と構築を開始し、10月18日に本番稼働を始めた。
IHIエスキューブは2005年からグループ内に点在するデータを集約し、一元管理するサービスを開始。その後、ペーパーレス化や個人情報保護、内部統制などに対応するため、データの集中管理の強化を進めていた。
今回のストレージクラウド環境の構築もその一環で、仮想化技術などを取り入れてサービス環境を再構築し、ストレージクラウド環境として稼働を開始させた。
同環境は仮想化技術を活用してデータを自動配置するため、ユーザーや管理者はデータの保存領域を意識することなく使用と管理が可能になった。また、提供容量や搭載アプリケーションに応じたストレージ構成を組む必要がなく、ユーザーからの使用要求に対して、従来よりも迅速かつ柔軟に対応することができる。加えて、一括してウイルスチェックを行うため、一定のセキュリティレベルを保つことも可能だという。
今回採用されたXIV Storage Systemは、障害時に短時間での復旧が可能とされる。日本IBMでは、容量1テラバイトのHDDを復旧させる際に、RAID-5などで組んだストレージシステムでは6~25時間かかるところが、XIV Storage Systemでは約30分で復旧可能で、二次障害の発生確率を低減できるとしている。