日本IBM、オラクルに「懸念を持つ企業」へ熱視線--DB2 pureScaleを発表

大川淳 2009年11月12日 22時14分

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 日本IBMは11月12日、データベース管理ソフト「IBM DB2 pureScale Feature for DB2 9.7 Enterprise Server Edition」(以下、DB2 pureScale)を発表した。情報量が爆発的に増大するなか、大容量のデータ処理能力を一層備えたい、あるいはサービス停止時間をできる限り短縮したいという顧客のニーズに応える。

 DB2 pureScaleは、DB2の新しいオプション機能との位置づけ。特徴は次の3点。

  • 超大規模構成での高い処理能力
  • アプリケーションを変更せずに即時拡張
  • 障害やメンテナンス時も無停止稼動

 対応するプラットフォームは、AIXで稼働する「IBM Power 595」「IBM Power 550 Express」。使用料金は268万2000円(税抜)からで、ダウンロード供給は12月11日に、製品出荷は2010年1月15日から開始する。

DB2 pureScaleはDB2の大きな転機

 分散コンピュータ環境では、データベースの並列処理は4〜8ノード程度が多く、10ノードを超える大規模構成では処理性能が大きく低下することが課題の一つとされてきた。

 DB2 pureScaleは、16ノードでも95%以上の処理能力を保ち、さらに一般的な並列処理の10〜25倍のデータを処理できるという。同社では、100ノードを超える超大規模構成でも80%以上の処理能力を発揮したとしている。

IBMは「DB2 pureScale」の発売をDB2の転機と考えている。積極攻勢への一里塚となるか(画像をクリックすると拡大します) IBMは「DB2 pureScale」の発売をDB2の転機と考えている。積極攻勢への一里塚となるか(画像をクリックすると拡大します)

 日本IBMでは、これまで大型汎用機の開発で培ってきた技術、ノウハウをDB2 pureScaleで活用。大規模データベース構成で高い処理能力を提供できる要因としては、ロック情報や共有ページを一元管理する機能や、ノード間の超高速通信機能を同社UNIXサーバ「Power Systems」上に実装したことなどが挙げられる。

 なかでも「Coupling Facility」(CF)は、ロックとキャッシュをメモリ上で集中管理できる大型汎用機と同水準の技術で、DB2 pureScaleはこれを分散環境で実現している。この技術により、スケーラビリティを上げたときのオーバーヘッドを低減化できるという。

 一方、ノード間通信には「Remote Direct Memory Access」(RDMA)と呼ばれる技術を採用し、データノードからRDMAを経由してCFのメモリを直接更新することが可能となった。そのため、高速化が実現しており、サーバに障害が発生しても一時的にI/Oブロックが起こらず、メモリ上でリカバリー処理を実行できる。

 DB2 pureScaleは、管理ノードに、クラスター管理と並列アクセスに適したソフトウェア群で構成される「PowerHA pureScale」技術を組み込んでいる。これにより、データ処理ノードを追加する場合でも、アプリケーションを変更することなく拡張することが可能となる。

 また、一部のデータ処理ノードが障害を起こした場合でも、アプリケーションは影響を受けずに、稼働中のノードに即時にワークロードを再分配することができる。さらに、データ処理ノードがメンテナンス中の場合は、そのノードを切り離して稼働ノードだけで運用することが可能で、データベースが常に安定した状態を保つことができるという。

Oracle RACに懸念持つユーザーに適する

 日本IBM ソフトウェア事業 インフォーメーション・マネジメント事業部長 下垣典弘氏は、「爆発的に増加しているトランザクション処理に、企業はどれだけの準備ができているか。また、ダウンタイムをゼロにする事業継続へのニーズも増えている。インターネットの拡大で、サービスの停止はビジネスチャンスのロスになる。このような状況から、サービス拡張のために企業は迅速な対応を迫られている」と指摘、「ノンストップ、高い拡張性、スピードを企業はITに求めている」と語り、DB2 pureScaleはその要求に応えるものであるとしている。

日本IBM ソフトウェア事業 インフォーメーション・マネジメント事業部長 下垣典弘氏 日本IBM ソフトウェア事業 インフォーメーション・マネジメント事業部長 下垣典弘氏

 販売施策としては全世界で200人の要員を配置し、従来の営業部門とともに9月に発表した「Oracleからの移行支援サービスオフィス」を窓口に、Oracle製品からの乗り換え促進をさらに積極化する。また、Oracle対応のソリューションを持つパートナーに対する移植支援も拡充する。

 同社はDB2 pureScaleが適している企業は、「ダウンタイムがビジネスロスに直結する企業、ビジネス変化に柔軟に対応できるシステムを求める企業」(下垣氏)で、「Oracle RACやSun Microsystems製サーバのユーザーで、一部の保守料金やダウンタイムなどに懸念を持つ企業」(同)としており、Oracleからの移行促進に意欲を示している。

 折しも同日、日本オラクルは都内で自社イベント「Oracle Database Summit 2009 - 11g R2 & Exadata V2 登場! in 東京」を開催し、データベースの新製品「Oracle Database 11g R2」や、DWの新製品「Exadata V2」を披露していた。

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