筆者が読んだブログ記事で最も興味深いものの1つは、Reuven Cohen氏が書いた記事だった。Cohen氏は古くからのクラウドエバンジェリストで、クラウド管理ソフトウェアベンダーEnomalyの最高技術責任者(CTO)でもある。
「Is cloud computing actually environmentally friendly(クラウドコンピューティングは本当に環境に優しいのか)」と題された記事の中で、Cohen氏は、クラウドコンピューティングはグリーンだという主張の最も理解しにくい側面の1つを指摘した。
問題は、クラウドが効率的だとする主張を評価するための一律の方法がないことだ。大手のクラウド企業はどこも使用率に関するデータを公開していないため、クラウドコンピューティングが実際にはどれほど効率的なのかを正確に知ることはできない。グリーンであるかのように感じられるだけだ。
Cohen氏は、データセンターの建設とその電源の選択が環境に与える影響を取り上げ、その後、消費について論じている。
現在は何千台ものサーバ上でアプリケーションを実行することができるが、以前はこんなことは不可能だった。別の言い方をすれば、数年分のエネルギーを文字通り数時間で使ってしまう可能性がある。昔なら、このようなオプションは存在さえしなかった。したがって、直接的に対比すると、われわれが使用しているエネルギー量は減少しているどころか、増加しているという仮説が成り立つ。また、何千台ものサーバを購入し、それらを(使用率の低い状態で)稼働させ続けたら、電力使用量は大幅に増加するだろう。しかし、もう一度言うが、そうしたサーバはほとんどの人にとって手の届かないものなので、これは公平な比較ではない。ということで、最初の議論に戻ろう。1台あたりのエネルギー使用量は80%減少しているかもしれないが、容量が1000%増加したというのでは、結局のところ、エネルギー使用量は減少するどころか、むしろ増加する。
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