日本版SOX法が話題になり始めた2006年ごろを起点に、内部統制確保の必要性から業務プロセスの「見える化」に注目が集まっている。BI(Business Intelligence)は、それよりも以前からあるITソリューションの1つだが、この「見える化」が後押しする形で再び注目されるようになった。
ところが、現状では内部統制を確保した上で業績成長や競争力向上を考えるようになり、見える化のさらに一歩先を見据えたソリューションが求められている。そこで登場したのがEPM(Enterprise Perfomance Management)、あるいはCPM(Corporate Perfomance Management)と呼ばれるソリューションだ。これらは、BIの次の段階に位置づけられるものである。
John Kopcke氏は、OracleのBI&Perfomance Management、Global Business Unitを担当するシニアバイスプレジデントだ。BIおよびEPMの分野において30年以上の経験を持ち、2007年6月にOracleに統合されたHyperionにおいては、CTOとしてEPMのソリューションを市場でリードしてきた人物である。
Kopcke氏に、企業がEPMを導入し活用するためにはどうすればいいのか、また同様なソリューションを展開するSAP+Business Objects、IBM+Cognosに対するOracle+Hyperionの優位性はどこにあるのかについて、話を聞いた。
まず最初に、自社の組織の経営プロセスについて改めて考えてみることです。BIから離れ、マネジメントのプロセスにおいて何が必要かを考えるべきです。
すでにさまざまなツールなどが導入されていて、企業においては、多くのBIソリューションが個別には実現しているはずです。しかし、それらが経営という観点とどう合致するかがよく分かっていない。BIによって、特定の問題は解決するのですが、たくさんのBIがバラバラに導入されていて、それぞれが独立し、連携できず、サイロ化している。これは、相当に混乱した状況です。
企業は、ERPを導入することで業務プロセスを標準化し、整理してきました、EPMにおいても、サイロ化しているBIのレポートやデータベースについて、同様に簡素化する必要があります。
テクノロジーを購入するだけでは、もちろん企業は変われません。組織の中でプロセスや人材を最適化しなければなりません。もしも、プロセスが悪かったり、プロセスの定義そのものが悪かったりした場合には、EPMを導入しても変化は起きません。
Oracleや我々のパートナーがやるべきなのは、より良い技術を提供することはもちろん、世界中での経験をもとに顧客に対しEPMのベストプラクティスを提供することです。これについては、OracleとHyperionが統合されたことで、多くの経験、ノウハウを得ることができました。従来よりも良いものを顧客に提供できると考えています。
OracleとHyperionは、長い期間にわたり一緒にビジネスを進めてきました。まずはこれが1つの優位性だと考えています。
そしてもう1つが我々が提供する統合化のアーキテクチャです。両社がこの分野で豊富な経験を持っている上に、このSOAに基づいた統合化のアーキテクチャで、EPMに関連するさまざまなものを容易かつ綿密に連携できます。
SAPとBusiness Objectsは、統合すべきピースが多すぎて複雑です。彼らはEPMに必要なコンポーネントを両社で寄せ集めている状況なのです。これは、フロント部分はホンダ、リヤはGM、真ん中はトヨタ……と部品を寄せ集め、これで「自動車ができあがりました」と言っているようなものです。
どのような組織編成をするかで、製品がオープンになるかクローズになるかが決まるわけではありません。必要なのは、アーキテクチャがどうなっているかであり、スタンダードにどれだけ準拠しているかです。
Oracleでは、製品のすべてのコンポーネントをホットプラガブルにすることを義務化しています。これにより、簡単な統合が可能になっています。また、SAPとHyperionの組み合わせでEPMという事例も数多くあります。
私の担当するGlobal Business Unitでは、EPMをグローバル市場で展開するのが仕事です。個々の製品というよりは、グローバルなEPM市場で成功することがミッションです。Oracleの技術を使うことはもちろんですが、MicrosoftのものでもIBMのものでも、どの技術を使ってもいいのです。実際、Oracleとの統合はやりやすいと、SAPをはじめとする他社も言っています。これこそがオープン性の証しであり、我々のソリューションの優位性でもあります。
Oracleのコンセプトは「協力しつつ競争する」というものなのです。
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