ミドクラジャパンは、8月24日、ミドクラ・エンタープライズ・ミドネット(MEM)の最新リリースを発表した。MEMは、IaaS向けのネットワーク仮想化ソリューションで、最新版では、複数拠点間のOpenStackベースのクラウド接続性に関してより安定した仮想ネットワーク環境を提供する。
MEMは、テナントごとのネットワーク制御を提供し、管理ツールであるMidoNet Managerを介して物理的なインフラを中断することなく、仮想化ネットワークを作成、変更できるようにする。また、仮想化ネットワークの高度な分析やエンドツーエンドの操作ツールを提供する。
最新版では、拡張性、操作の簡易性およびセキュリティが強化されているが、それ以外にもルータピアリングによるマルチクラウド接続性や、ファブリックトポロジー対応のMEM Insights、コンテナオーケストレーションとの統合、メモリ使用のさらに効率性の追求などが加えられている。
MEMのマルチクラウド接続は、OpenStackがデプロイされている複数の拠点にVXLANトネリングを利用してオーバーレイ接続する、「ルータピアリング」によって実行される。これにより複数拠点間の直接接続が可能となり、災害復旧シナリオでの頻繁なバックアップ操作の必要がなくなる。また、複数拠点に渡る制御トラフィックおよびブロードキャストストームを削減できる。
MEM Insightsは、オーバーレイとアンダーレイで発生している現在および過去のイベント間の相互関係を見出し、一連のイベントおよびそのネットワーキングの問題、または障害を起こしている原因を分析できるようになる。
コンテナオーケストレーションとの統合では、Kubenatesを始めとするあらゆるContainer as a Service(CaaS)プラットフォームにアジリティを提供する。他のコンテナネットワーキングの実装と違い、MEMはサブネットをネームスペースにより割り当てるため、ノードごとにいくつでも、ポッドを必要なだけ制限なしに放出できる。
メモリ使用の効率性向上では、MidoNetエージェントで75%も改善された。VMがメモリをさらに効率的に使用することで、アプリケーションの安定性が増し、応答時間が改善される可能性が高い。