IaaSプロバイダを選ぶとき--検討すべき8つの質問

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2016年08月23日 06時00分

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 サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)は、早くも多くの企業で大規模に利用され始めている。最近IDCが行った調査によれば、回答者の3分の2が、何らかの形でパブリッククラウドIaaSをすでに使用しているか、2016年末までに使用する予定だという。IDCはさらに、2015年には126億ドルだったパブリッククラウドIaaSの売上高が、2020年には3倍以上の436億ドルになると予想している。

 しかし企業は、オンプレミスのコンピューティング能力を増強する代わりとしてIaaSを選ぶ前に、いくつかの質問を検討し、ベストプラクティスを導入すべきだ。この記事では、IaaS導入の意思決定責任者が検討すべき8つの質問を紹介する。

そのIaaSプロバイダは信用できるか?

 IaaSを処理能力やストレージを増やすためのリソースとして調達するのは簡単で、契約書にサインをして、何らかのリソースが必要になったら、プロビジョニングすればいいだけだ。しかし、少なくとも最初だけは慎重になるべきだろう。利用しようとしているIaaSプロバイダは、ガバナンスとセキュリティの面で自社と同じ水準に達している必要がある。自社のデータをIaaSプロバイダで保管するのであれば、そのデータも安全で、秘密が守られる形で保管されなくてはならない。これは言うは易く行うは難しで、あまり形式張らない文化で運用されており、多くの大企業が定めている業務規律やガバナンスの標準に達していないIaaSプロバイダも存在する。IaaSプロバイダと取引する際には、あらゆる契約に、データのプライバシ、セキュリティ、ガバナンスの水準に関する取り決めを含めるべきだ。

ベンダーロックインが起きないか?

 IaaSのよいところは、競争が激しい社内データセンターのリソースが割り当てられるのを待つ必要がなく、アプリケーションとデータをIaaSプロバイダにアップロードすれば、すぐに使えることだ。しかし、プロバイダを変更したり、データとアプリケーションを社内に戻したいと思った場合には、何が起こるだろうか?一部の企業は、IaaSに移行したアプリケーションやデータの数が増えるに従って、アプリケーションやデータをオンプレミス環境に戻すのが難しくなるという経験をしている。他のIaaSプロバイダへの移行は言うまでもない。IaaSへの移行と、IaaSから外への移行を行う能力が重要であれば、これについても契約時に取り決めを行い、アプリケーションやデータをIaaS内に移行する時だけでなく、外部に移行する際のサポートのスピードや品質に関しても、正式にSLAを結ぶべきだ。

IaaSへの移行は、ITスタッフにどのような影響を与えるか?

 多くのIaaSユーザーは大規模な企業であり、社内に自前のITスタッフを抱えている。こういった企業がIaaSを選択する理由は、自社のアプリケーションとデータをクラウドが提供するリソースを使って運用し、管理し続けたいからだ。このようなシナリオでは、意思決定責任者はどんなアプリケーションとデータをIaaSに移行し、それをITスタッフがどう管理するのかを検討する必要がある。IaaSを利用することで、スタッフの一部がIaaS事業者の現場で作業をするために、移動する必要はあるだろうか?アプリケーションの開発やテストをアウトソースする際に、手順を変更する必要はあるだろうか?IaaSを災害復旧戦略の一部として利用する場合、災害復旧計画の仕組みを修正する必要はあるだろうか?あるいは、賠償責任保険に影響は及ばないだろうか?契約を結ぶ前に、これらの点をすべて検討しておく必要がある。

IaaSの導入に向いている分野は?

 非常に多くの企業が、アプリケーション開発やテストのワークロードが大きくなり、社内のコンピューティング能力やストレージに限界を感じ始めると、IaaSソリューションの利用を模索し始める。このような場合、アプリケーション開発やテストをIaaSプロバイダに移すことは理に適っている。これによって、必要なアプリケーション開発とテストのためのプラットフォームを簡単に用意できるようになり、各開発者がそれぞれ開発とテストのためのリージョンを持てるため、リソースを他の開発者と共有したり、社内の限られたリソースの順番待ちをする必要がなくなる。また、データセンターに新しいソフトウェアやハードウェアを用意する必要もない。その他に、IaaSサービスを災害復旧やバックアップに利用するのも合理的だ。IaaSは、企業のデータセンターが災害に遭った場合に備えて、本番環境とフェイルオーバーの仕組みの複製を遠隔地に用意する手段としては比較的安価だといえる。

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