「セキュアで安定したIT基盤の実現を支援」--OOW 2006に米国システム事業責任者が集結

山下竜大(編集部) 2006年01月30日 10時00分

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 日本オラクルでは現在、データベース製品やミドルウェア製品を中核としたシステム事業とアプリケーション製品を中心としたアプリケーション事業の大きく2つの事業を展開している。今回、システム事業の現状と今後の展開、そして2006年3月に開催される「Oracle OpenWorld Tokyo 2006(OOW 2006)」に向けた取り組みについて、執行役員 システム事業統括 システム事業推進本部長である三澤智光氏に話を聞いた。

--2005年のシステム事業におけるビジネスを総括してください。

 2005年は、6月から11月まで、ほぼ「Oracle Fusion Middleware(OFM)」一本で戦略を展開してきました。オラクルにとってミドルウェア分野は、新しい分野でもあり、ビジビリティをいかに拡大するかが最大の課題でした。

 具体的な戦略としては、「エンタープライズゴリラゲーム」(関連するあらゆる分野で圧倒的な競争力を持つというジェフリー・A・ムーアをはじめとする著者3名による書籍を参考にしたもの)を展開してきました。

 たとえば、ビジネス・インテリジェンス(BI)の分野ですが、現在日本国内のBI市場調査があれば、オラクルの名前がかなり上位に出てくるはずです。これまでBI市場では、フロントエンドツールが弱かったので、営業があきらめていた感がありました。しかし現在では、BI専業ベンダーの製品に遜色ないものを提供できるようになったことからビジネスが順調に成長しているのです。

 また、アプリケーションサーバ分野では、ここ半年で約60%の成長率を達成できているので、予定より1年早く競合に追いつくことができるという手応えを感じています。さらに、Enterprise Manager分野は、2004年にはほとんどビジネスがありませんでしたが、今年は300%の売り上増となっています。

「日本の市場をもう一度グッと引き上げるいい時期」と三澤氏

--2006年のビジネスの中核となるのはどんな分野でしょう。

 オラクルでは現在、Oracle Fusion Middlewareをはじめ、「Oracle Database」「Oracle Applications」「Oracle Enterprise Manager」の4つの製品群でビジネスを推進しています。

 これまでオラクルは、Oracle DatabaseからOracle Applicationsまでのすべてをオラクル製品で統合する垂直統合を推進してきました。しかし、企業システムには、メインフレームやC/Sシステム、ウェブシステムまで、さまざまなシステムがすでに導入されており、これらのシステムをすべて新しく作りかえることは現実的ではありません。

 そこで、システムの根幹となるインフラ部分はオラクル製品で構築し、メインフレームのシステムやSAPのシステムなどは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)による水平統合により既存のシステムを有効に活用しながらシステム統合を実現できる仕組みを提供しています。

 この垂直統合と水平統合のバランスが重要なのです。

--2006年のシステム事業に関する取り組みを聞かせてください。

 Oracle Databaseはすでに高いシェアを持っていますが、それをさらに8割、9割と増やしていくことは現実的ではありません。そこで今後のOracle Database分野の取り組みですが、データベース市場をさらに広げていくことが重要になります。

 このとき中核となるのが「Oracle RAC(Rea Application Clusters)」です。いわゆるGridの分野ですが、たとえば大規模なBI構築のニーズが高くなっていることから、高性能、高信頼なOLAPサーバの実現でOracle RACは有効になります。またセキュリティ分野では、Oracle Databaseそのものを暗号化する技術を「Oracle 10g Release 2」から提供しており、これを広く展開していきたいと考えています。

 一方、アプリケーションサーバ分野では、現在約8〜10%といわれているシェアを早期に30%にまで拡大したいと思っています。そのために、Oracle Fusion Middleware上で他社のミドルウェア製品も使用可能にする「Hot-Pluggable」戦略などの取り組みを展開しています。

 Oracle Enterprise Managerでは、各社が提供しているシステム管理ツールのシェアを切り崩していくのではなく、各社のシステム管理ツールとどのように融合していくことができるかを模索しています。

--2006年3月にOOW 2006が開催されますが、見どころについて聞かせてください。

 今回のOOWには、Oracle Applications担当のJohn Wookey、Oracle Fusion Middleware担当のThomas Kurian、Oracle Database担当のAndrew Mendelsohn、Oracle Enterprise Manager担当のJay Rossiterと、4つの製品群の責任者が全員来日し、各製品の最新情報を提供する予定です。

 4つのシステム製品におけるOOWのキーワードとなるのは、「SOA」「セキュリティ&コンプライアンス」「BIおよびDWH」、そしてそれを支える「Grid基盤」です。

 現在、Grid基盤を活用したユーザー事例はかなり増えています。これは、パートナーである新日鉄ソリューションズが100ノードのグリッド検証センターを2005年12月に開設したほか、伊藤忠テクノサイエンスがデータベース統合を支援する「DBPool」というサービスプログラムを2005年10月より展開するなど、Grid基盤の価値が認められた結果です。これらのユーザー事例をOOW 2006で紹介します。

 SOA、セキュリティ&コンプライアンス、BIおよびDWHに関する最新情報については、OOW 2006当日を楽しみにしておいてください。

--2006年、システム事業の目玉となるのは、どんな製品でしょう。

 2006年に発表される製品で最大の目玉となるのは、「Oracle Fusion Middleware Release 3」です。春過ぎに発表が予定されていますが、これによりFusion Middlewareが完成。SOA実現に必要なテクノロジーを、すべて提供することが可能になります。

 Oracle Fusion Middleware Release 3で強化されるのは、ESBやWebサービスマネージャ、ルールエンジンの搭載、アイデンティティ管理の統合、BAMの提供などです。これまでOracleが買収した会社の製品や技術のすべてがFusion Middlewareに統合されます。

--2006年に期待できる分野は、どんな分野でしょう。

 2006年に期待できるのは、やはり日本版SOX法に関わるビジネスの拡大です。オラクルでは、データの蓄積から、データの管理、監査までのすべてを実現できる製品を持っており、日本版SOX法の施行は非常に追い風になると思います。

 日本版SOX法では、まず安定した運用基盤が必要です。また、アクセス管理やアイデンティティ管理、既存のアプリケーションに変更を加えることなくデータを暗号化できる「トランスペアレント・エンクリプション」機能などが有効になります。

 さらに、ビジネスプロセスの可視化ではBPLE、コンテンツ管理では「Oracle Collaboration Suite」なども提供可能。Oracle Databaseであれば、データのバックアップ/リカバリやアーカイブも簡単に実現できます。

--OOW 2006に向けたメッセージをお願いします。

 OOW 2006のテーマは、「TURNAROUND JAPAN 〜事業再生とITの役割〜」ですが、企業がもう一度輝きを取り戻すにはどうすればいいのかという思いが込められています。これまで成長率が低くなっていた日本の市場をもう一度グッと引き上げるいい時期だと思い、このテーマが選ばれました。

 OOW 2006では、ただ漠然とシステムを構築して動かすのではなく、セキュアで安定した運用基盤と統合基盤をいかに実現するかに目を向けてほしいということを訴えていきたいと思います。オラクルは、そのための提案を自信を持ってできる製品群を持っており、そのための支援を提供をするチャンスをぜひもらいたいと思っています。

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