IDC Japanは6月10日、国内のユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場について2012年の分析と2013~2017年の予測を発表した。
同社はUC&C市場をUCプラットフォーム、UCアプリケーション、UCアプリケーションサービス、UCプロフェッショナルサービスの4つの市場セグメントに分類している。また、同市場をIPテレフォニー、コラボレーティブアプリケーション、IPコンファレンスシステム、IPコンタクトセンターという4つのソリューション市場に分類して、それぞれの市場で予測している。
2012年のUC&C市場の規模は、前年比3.8%増の2008億9400万円になった。2012年は円高と株安などの国内経済に対する不安要素があったが、企業の音声基盤の刷新需要が活発に推移したこと、IPコンタクトセンターシステム分野が堅調に推移したことなどから、2012年は通年で堅調な成長を維持。2008~2012年の5年間で、初めて2000億円を突破した。
2013年のUC&C市場は、災害時の事業継続対策需要、企業でのスマートデバイス利用、クラウドでのUC&C機能の提供が進むと予測している。近年のSNS技術のビジネス活用など、関連技術からの市場促進要因があると説明。これらの要因を考慮して、2013年通年では前年比3.3%増になると予測している。
2013年以降の同市場は、企業のワークスタイル変化の要求からモバイル系、映像でのコラボレーション、ソーシャルビジネスなどの新しい市場牽引要因で堅調に成長、2012~2017年の年平均成長率(CAGR)は3.5%で推移し、2017年には2381億3700万円の規模になると予測している。
IDC Japanの眞鍋敬氏(ソフトウェア&セキュリティグループマネージャー)は「ベンダーとシステムインテグレーターは、クラウドやモバイルの応用を進め、これらが影響するビジネスモデルやプライシングモデルの変更に早期に着手すべきである」と提言している。
2008~2017年の国内UC&C市場のセグメント別売上額予測(出典:IDC Japan)