ペンギン、宇宙へ!--小惑星資源開発とLinux - (page 3)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-10-04 07:30

 言うまでもないが、ほとんどの小惑星は火星と木星の間の小惑星帯に位置している。しかし、直径100メートルを超える地球近傍小惑星が2万個以上あるのだ。これらのうちの17%にあたる3400個には、地球から月に行く時ほどのエネルギーを必要とせずに到達できる。Planetary Resourcesが「期待」しているのは比較的近くにあるこれらの小惑星なのである。

 同社はこういったことをロボット宇宙機ARKYDシリーズを用いて実行しようとしている。ARKYD Series 100の最初の機体は2014年に軌道に投入されるはずだ。そこには、水や貴重な鉱物資源が埋蔵されていそうな小惑星を探索するための、電子レンジサイズの商用宇宙望遠鏡が搭載される。

 有望な小惑星が見つかった場合、引き続いてARKYD Series 200によるフライバイミッションで近距離からの探査が行われる。そして、最も価値のある小惑星を特定できたのであれば、ARKYD Series 300による着陸(実際のところ停泊といった方が正しいだろう)を経て、小惑星の採掘作業を開始するわけだ。

 Planetary Resourcesが小惑星探査を行う理由は何だろうか?それはお金のためだ。

 2011 AG5は、2040年に地球に接近する直径140メートルに及ぶ小惑星である。このクラスの小惑星には、地球上で今日までに採掘されているよりも多くのプラチナが眠っている可能性もある。ちなみに、プラチナの価格は現在のところ1オンス(約28.35g)あたり1427ドルだ。

 このため、たった1つの小惑星に数百億ドルもの価値があるということもあり得るのだ。つまり、10~20億ドルかかったとしても、資源を採掘できれば、プライベートで島を購入できるだけのお金が転がり込んでくるというわけである。

 またPlanetary Resourcesは、地球近傍の小惑星や、深宇宙の小惑星で採掘を行うロボット宇宙機の燃料として用いる水資源の採掘も計画している。

 興味深い話ではないだろうか?Allen氏は「われわれは優れた小惑星採掘作業員を探している」という言葉で締めくくっている。同社は特に、ソフトウェアエンジニアと電気技師を探しているそうだ。宇宙とオープンソースを愛しているのであれば、これがあなたの天職かもしれない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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