今週の明言

富士通研究所が開発した「指輪型デバイス」の可能性 - (page 2)

松岡功

2015-01-16 12:00

 今回の発表について、「空中で文字が書ける“魔法の指輪”」「マウスを超える入力デバイスになるかも」と紹介した報道も見受けられた。さて、どんな用途の広がりが考えられるか。そこからまた技術が進展しそうな気がする楽しみな分野である。

「個人情報の搾取と攻撃対象のボーダーレス化がますます顕著になってきている」
(トレンドマイクロ 染谷征良 上級セキュリティエバンジェリスト)


トレンドマイクロ 染谷征良 上級セキュリティエバンジェリスト

 トレンドマイクロが先頃、2014年の情報セキュリティ脅威動向をまとめたリポートを公開するとともに、その内容について記者説明会を開いた。染谷氏の冒頭の発言は、その会見で、同リポートで明らかになった最大のトピックについて語ったものである。

 同レポートでは2014年のセキュリティ脅威動向について、「インターネットバンキング利用者を狙った不正プログラムや、フィッシング詐欺サイトによる被害、内部犯行による組織内の情報持ち出しや、POSシステムを狙った企業への標的型サイバー攻撃など、個人情報の搾取を目的とした攻撃が、個人および法人を問わず幅広い対象に行われた」と説明している。

 特に法人では、インターネットバンキングを狙った不正プログラムの検出数が前年比で約1.8倍増加し、標的型サイバー攻撃と考えられるケースが2014年下半期には前年同期比で約3倍増加するなどの被害拡大がみられたという。また、フィッシング詐欺についても2014年11月末までに160万以上のユーザーがフィッシングサイトに誘導されており、個人ユーザーから直接情報を搾取する詐欺的方法が現在も有効であることが明らかになったとしている。

 染谷氏はこうした状況について、「個人が個々に保有したり、法人が管理するアカウント情報やクレジットカード情報などの個人情報は、サイバー犯罪者にとって金銭的な価値がある。個人情報の搾取を目的としたサイバー攻撃は、今や個人と法人の垣根を越えて行われている。特に法人に対するサイバー攻撃では、特定の産業や分野によらず、幅広い業種や業態に対する攻撃が、今後も続くことが懸念される」との問題認識を語った。

 その上で同氏は、「ITを利用するすべてのユーザーは、自身の保有する情報が、攻撃者にとって価値があるということを認識し、攻撃の危険性を理解して対策を講じることが重要だ。法人においては、自発的に攻撃を発見できず被害が長期化しているケースが多いことを踏まえ、不正侵入や内部犯行が起こる前提でリスクの最小化に取り組むことが肝要である」と指摘した。

 2015年に入っても、サイバー攻撃をはじめとしたセキュリティ脅威は広がる一方だ。改めて事の重大性を法人としても個人としてもしっかりと認識する必要がありそうだ。

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