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サイバー犯罪への慣れが深刻化--元米大統領セキュリティアドバイザー - (page 2)

末岡洋子

2016-05-24 07:30

ハクティビズム

 情報や金銭の獲得を目的としたものではなく、政治的な目的により情報を盗むことをハクティビズムとした。直近の例として挙げたのが「パナマ文書」だ。アイスランドの首相が辞任するなどの大きな事態を引き起こしており、日本でもジワジワとその内容が明らかになってきている。「これがもし自社の情報だったら?」とClarke氏は会場に問い掛ける。

スパイ

 国レベルでのスパイ活動であるだけでなく、企業をターゲットとしたスパイが増えており「4つの中で最も不安にさせるもの」とClarke氏は述べる。たった24時間しか価値がないような情報でも株価が動くような情報、知られたくない情報、最新の研究開発(R&D)やM&Aに関する情報が盗まれている。多くは政府の関与により米国企業を狙ったもので、業種も問わない。

 Obama大統領は2014年11月のSony Pictures Entertainmentへの攻撃でやっと対応に乗り出し、2015年10月の中国政府とのサイバー攻撃を容認しないという合意に至る。

 これは自国の諜報サービスや政府を利用してお互いの国の企業をスパイしないというものだが、個人や犯罪組織が独自に行う分はカバーできないため「中国からのハッキングがなくなるわけではない」という。だが合意後、中国政府による米国企業のスパイ活動はなくなったとのこと。

 「合意を守っているのか、より注意深くなったのかーー私はシニカルで注意深い人間なので、後者だと思う」とClarke氏。「政府が持っていたスパイ活動のスキルが民間に移っている。今後もあらゆる企業にとって脅威となるだろう」と悲観した。

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