3．AIと機械学習が企業内で進化する
2017年の企業は、製品や開発サイクルへのAIと機械学習の統合を一層進めていくだろうとIntuitのデータエンジニアリングおよびアナリティクス担当バイスプレジデントを務めるBill Loconzolo氏は述べている。「最近は人工知能技術によって、各個人に合わせた製品提供を行うサービスのレベルが向上しており、このことが企業や消費者に大きな影響を与えている」と同氏は言う。
Intuitでエンタープライズビジネスソリューションのチーフアーキテクトを務めているRajagopal Chandramohan氏は、機械学習もまた、これまで手動では得られなかった知見を得る手段として使われると語る。同氏は、「2017年には、IT部門のチームがビッグデータに取り組むだけでなく、ビッグデータを次のステップとして用いることにより注意を向けるようになる」と述べている。「顧客のフィードバックと組み合わせることで、IT部門のチームは機械学習から得られた知見を使って顧客の体験を予想し、個人に合わせてカスタマイズするようになる」（Chandramohan氏）
4．企業は大規模な新しいソリューションを速いペースで導入する
Ciscoでイノベーションプログラムおよび戦略担当シニアディレクターを務めるAlex Goryachev氏は、テクノロジ市場におけるイノベーションのペースが速いため、企業は段階的な改善をもたらすソリューションではなく、状況を劇的に変えるようなソリューションを素早く生み出すことを求められるようになる、と述べている。
「新しいビジネスモデルは、『Pokemon GO』のように前触れなくどこからか突然現れ、新たな市場を開拓し、その過程で身近な定番ブランドを破壊するかもしれない」と同氏は言う。「デジタル経済の進展によって、大企業は自らを素早く改革し、次の10億ドル産業のアイデアを得るために、新しい社内独自の才能の宝庫を活用せざるをえなくなる。中核的なソリューションやサービスをゆっくり、段階的に改善するだけでは、間違いなく恐竜のように絶滅することになる」（Goryachev氏）
Columbus Consultingの創業者であり会長のRick Amari氏は、この現象をAmazon効果と呼んでいる。「2017年の小売企業は、敏しょうさを獲得し、どの技術が必要か、誰が自らの組織の進化を手助けしてくれるかを判断するために素早く動く必要があるだろう」とAmari氏は述べている。「Amazon効果によって、消費者は待つことをしなくなっている。小売企業はこの状況に追いつき、すぐに対応する術を見つける必要がある」
5．CEOはゼネラリストになる
SenchaのCEOであるArt Landro氏は、デジタル時代が進展し、あらゆる産業にテクノロジが浸透するにつれて、CEOはあらゆる課題に精通するエキスパートではなく、成功のために適切なチームを作ることに専念するゼネラリストになる、と述べている。
Landro氏は、「農業や鉱業、製造業から流通業、金融サービス、医療まで、あらゆる産業のあらゆる企業はテクノロジ企業になる。それに加えて、すべてのテクノロジ企業は、自社の技術的なインフラ、ソフトウェア開発、およびサポートについて深く理解しているCTOを必要とするようになるだろう」と述べている。
