今後のデジタルコマースの10大トレンドを提示
ギレスピー氏は、デジタルコマースにおける今後のトレンドを10個挙げ、それぞれについて簡単に説明した。
・(1)コマースは、顧客が望む場所や方法で起こる
・(2)コマースでは、コンテキストをパーソナライズするが、介入はしない
・(3)コマースはビジュアル
・(4)コマースとはソーシャル・コマースであり、楽しめるもの
・(5)誰もが販売、共有、3Dプリント、提供できる
・(6)モノは、測定、アラート、パーソナライズ、購入できる
・(7)コマースは、会話、ヘルプ、実行、情報提供できる
・(8)サブスクリプションと完全自動のコマース
・(9)グローバリゼーションとデジタル・イニシアティブ
・(10)あらゆる商取引ビジネスが意図的なイノベーションを採用する
(1)の「コマースは、顧客が望む場所や方法で起こる」というのは、例えば、ユーザーが欲しがっている品物が近くの店舗にあると、モバイルアプリがアラートを発信してくれる、といった具合だ。すでに事例があるという。
(2)の「コマースでは、コンテキストをパーソナライズするが、介入はしない」というのは、言うのは簡単だが難しいという。パーソナライズは重要で、「戦略的プランニングの仮説事項」では、「2018年までに、あらゆるタイプのオンライン・パーソナライゼーションに徹底的に投資した企業は、そうでない企業よりも、売り上げが30%以上上回る」としている。
B2Bでも同様に「デジタル・コマースにパーソナライゼーションを組み込んだB2B販売業者は、売り上げを最大15%伸ばせる」としている。
(8)の「サブスクリプションと完全自動のコマース」というのは、定期購読型のサブスクリプションモデルが有効で、購入プロセスを自動化することも有効になるということ。Amazonの予測配送とダッシュボタンなどの例がある。米国では、例えばオムツが自動発注の対象として有名という。
ギレスピー氏は、講演の最後に、CIOとITリーダーのための行動計画を提示してみせた。直ちに実行すべき事項として、自社の評価に着手することを挙げた。市場の需要に対する提供能力の評価を開始することも大切だという。
90日以内には、代替のビジネスモデルを特定して評価し、需要に対する提供能力のギャップも明確化する。1年以内に実行すべき事項は、新しいビジネスモデルをテストし、需要に応えるためのチームを組織内に作る。