2020年、IoTはどうなるのか
ZDNet:最後に2020年、3年後くらいのタイミングでIoTのビジネスという枠組みがどうなっているかについてお聞かせください。
八子氏:クラウドの時と対比してみると、今年は2010年くらいのイメージかなと思っていて、今から事例がたくさん出てきて、利用もどんどん普及していくと予想しています。
クラウドでは、2010年頃〜2013年頃は利用度がどんどん上がってきて、事例がたくさんマーケットに出てはいるものの、激変はしていない状況でした。
IoTも、今はどんどんコモディティに向かって緩やかなカーブが上がっていて、色んな人が「まだIoTやってないの?」みたいなことを言う状況です。
2020年という意味では、東京五輪のために監視カメラがIoTでつながったり、WAmazingみたいな(インバウンド旅行者向けに500メガの無料モバイル通信、タクシー配車、旅行予約手配、決済などのアプリを提供する)会社がたくさん出てきて、ものすごく空間を歩き回るところの最適化が促進される。
AIによって自然言語で解釈してくれるみたいなのがどんどん増えると思うのですが、それはクラウドのときに「仮想化しました」というのとあまり変わらないと思っていて、今から3年後だと「ああ、だいぶIoTになったよね」みたいな感じだと思います。
クラウドは手段だったはずだけど、今われわれは「クラウドになった」と言っている。IoTも活用しているという手段ではなく汎用的な用語になって、2020年くらいになると、ITの人以外が「IoT」と言っている感じでしょうね。
玉川氏:私もクラウドに関して八子さんと同じ感覚を持っているのですが、それに付け加えると、2013年は、クラウドで考えると実はもう勝者は決まっていた頃なのかなと思っています。
IoTの世界でも2020年になると、みんな「まだ儲かっているところないよね」と言っているけど、実は勝者は決まっていて、そこまで研鑽を積み重ねた企業は経験とノウハウを手にしている。
クラウドで言うと、2013年に名前が出ていた企業は、多分今、ウハウハだと思いますね。2010年の時には本当に儲からないビジネスで、2013年にはちょっと儲かり始めていたけど言っていない。
2017年になるとすごい金額の案件を手にしていて、それが今なのかなという感じはしています。2020年までにビジネスという観点での、特にIT業界のプレイヤーや、ユーザー企業でのプレイヤーについては、ほぼ勝者は決まるのかなという感じです。