海外コメンタリー

「Oracle OpenWorld 2017」を振り返る--自動化、AI、アナリティクスなど注目点 - (page 3)

Doug Henschen (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2017-10-23 06:30

筆者による分析

 「Oracle Adaptive Intelligent Apps for CX」は提供が始まってからまだ日が浅い。OOW2017には、スウェーデンのTeam SportiaとイタリアのMoleskinが顧客として出席していたが、いずれも配備を始めたばかりだと述べていた。同製品の提供開始時期は、筆者が2016年のレポートで予想していたよりも遅かったのだが、Oracleは常にこれらアプリの提供について「今後12カ月以内」という控えめな見込みを述べていた。この分野における同社の競合はもちろん「Salesforce Einstein」だ。Salesforce Einsteinについては2017年に入ってから大々的な発表がいくつも行われている。筆者は、11月6日から開催される「Dreamforce 2017」において、Salesforce Einsteinの顧客が配備事例を詳細に語ってくれることを心待ちにしている。

 Adaptive Intelligent Appsが顧客エクスペリエンス以外の分野で2018年第1四半期中にリリースされたとしたら、筆者は驚くだろう。予想は慎重にした方がよいという教訓を学んでいる筆者は、HCMやERP、SCMの分野でスマートアプリが登場するのは早くても6カ月先であり、その提供も最初は限定的なものになる可能性が高いと考えている。

OracleにおけるビッグデータとAIの進歩

 Oracleは、ビッグデータ分野とAI分野の最前線において、ある部分では先頭集団を走り、またある部分では先頭集団に追いつこうとしている。同社はこれまでに、Oracle Big Data Cloud製品群を発表している。このビッグデータプラットフォームは、「Apache Hadoop」と「Apache Spark」をベースにしている。Cloudera製品をベースにした、既存の「Oracle Big Data Appliance」もオンプレミス版とホスティングサービスの双方が現在でも利用可能となっている。しかし同社が今後、Big Data Cloudに注力していくのは明らかだ。この製品は、ストレージとコンピュートに関する意思決定を独立させるとともに、オブジェクトストレージを大規模データレイクのための低コストの代替として提供している。

 Oracleは、ストリーミングデータの管理に向け、Oracle Event Hubを追加した。これはルーティングや処理実行のために、オープンソースの「Apache Kafka」を使用している。また、Oracle Stream Analyticsは、同社の「Oracle Complex Event Processing」テクノロジをApache Spark上で動作できるように再構築したものだ。

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