Oracleは2017年春、適応型インテリジェンス(adaptive intelligence)を顧客体験アプリケーションに導入した。adaptive intelligenceはAIを利用した機能で、今週同社はこれをクラウドアプリケーション全体に拡大すると発表した。「Oracle Customer Experience Cloud (Oracle CX Cloud)」に加えて、「ERP Cloud」「HCM Cloud」「SCM Cloud」などのアプリケーションにAI機能を組み込むという。
CXにおけるadaptive intelligence機能は、Salesforceの「Einstein」と比較しうるものだ。だが、Oracleは年次カンファレンス「OpenWorld 2017」で、AIと機械学習の分野をクラウドアプリケーション全体に拡大することで、企業が顧客とビジネスの両方のデータをどのようにして活用できるようにするのかを示そうとしている。
またAdaptive Intelligent Appsは、50億件を超える世界中の消費者および企業のID、そして毎月収集される7兆5000億以上のデータポイントを有する「Oracle Data Cloud」を利用する。
複数のクラウドから収集したデータを利用して、企業はさまざまなな分野でより情報に基づいた意思決定ができる。例えば、リクルーターはOracleのadaptive intelligenceを利用して、職務記述書に最もマッチする人を探すことができる。あるいは、現在の職務遂行能力の情報を調べ、採用候補者のプロフィールを作成することもできる。
財務であれば、OracleのAIを利用して、経時的なビジネストレンドとビジネスリスクデータを分析し、キャシュフローを最適化したり、購入者と供給者の最適なバランスを生み出すことができる。
Oracle Adaptive Intelligenceのプロダクトおよびデータサイエンス担当バイスプレジデントのJack Berkowitz氏は、小売業界の競争が激化しており、CX Cloudの顧客はAIベースのツールに強い関心を示していると述べた。Oracleはまた、サプライチェーン分野などの顧客の関心が高まることに期待している。財務分野でこれらのツールを活用することの可能性についても重要だとしている。Berkowitz氏は、運営資本を確保する機会などを見いだすことができれば、最高財務責任者(CFO)にとって非常に大きな分野となると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。