Google Cloudは米国時間2月19日、Cornerstone Technologyを買収したと発表した。顧客のメインフレームワークロードの移行支援を強化する狙いがある。買収条件は明らかにされていない。
オランダに本拠を置くCornerstoneは1989年に創業。高度に自動化されたプロセスで企業がメインフレームデータを移行するサービスや、モダンな環境に向けてアプリケーションを整備するために言語やデータベースを変換するソリューションを提供している。
GoogleのHoward Weale氏はブログ記事で、「アプリケーションを一連のサービスとして構築する流れが業界で強まるなか、多くの顧客はメインフレームで稼働する自社のモノリスのような(一枚岩のように巨大な)プログラムを分割し、Javaで記述した複数のモノリス群や、Javaのマイクロサービス群にしたいと考えている。アプリケーションのモダナイゼーションに向けたこのアプローチこそ、Cornerstoneのツールセットの核心とでも言うべきものだ。Cornerstoneのツールは自動化されたプロセスを利用することで、COBOLやPL/I、アセンブリー言語で記述されたプログラムをサービス群に分割した後、コンテナー化されたマネージド環境内などで稼働するクラウドネイティブなものにできる」と説明している。
メインフレームはIT業界で多くの人々から旧式だと見なされているものの、大規模企業は依然としてトランザクション処理をメインフレームに依存している。たとえば、IBMのPhilip MacLochlainn氏は2019年、米ZDNetに対し、クレジットカード取引の85%がIBMのzメインフレームで実行されていると話した。
Googleは近年、複数の買収を実施し、顧客のクラウドへの移行を支援する取り組みを強化しようとしている。2019年にはクラウド移行支援を手がける新興企業Aloomaのほか、CloudSimpleを買収した。CloudSimpleは、VMwareのワークロードをパブリッククラウドでネイティブに実行できる環境を提供していた。2018年には、企業のクラウド移行を支援するVelostrataを買収している。
またGoogleは、エンタープライズ顧客に応えるためのさまざまな取り組みを進めている。2019年12月には複数のサイバーセキュリティ企業との提携を強化したほか、2020年に入り、「Cloud Premium Support」を発表した。Alphabetの最新の決算ではGoogle Cloudの年間売上高ランレートが100億ドルを超えることが明らかになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。