ビッグデータやアナリティクスのスキルに対する需要が高まっていることで、米国企業の採用活動は極めて活発になっており、多くの採用担当者は、2~5年の業界経験を持つ中級レベルの開発者を求めている。
中級レベルの開発者にはチャンスが巡ってきている。開発者人材マッチングプラットフォームを提供しているHackerRankの調査によれば、IT分野の採用責任者5297人(エンジニアリングマネージャー、IT採用担当者、面接担当者などを含む)のうち49%が、もっとも求めているのは中級レベルの経験を持つ採用候補者だと述べている。
一方、5年以上の経験を持っている上級の開発者を一番求めている採用担当者は28%で、初級レベルの開発者を求めているのは22%だった。
中級レベルの開発者を求めている企業は従業員1000人以下の企業に多いが、従業員が1000人を超える企業の間でも、開発者に求められているレベルの順序は変わらなかった。
HackerRankによれば、大企業でも中小企業でも、もっとも採用が難しいのはフルスタック開発者だという。求人検索サイトのIndeedは2月、フルスタック開発者の求人は過去3年間で162%増加したと報じている。
ただし、フルスタック開発者の平均基本年俸は9万4161ドル(約1000万円)で、もっとも給与水準が高いIT関連職種であるソフトウェアアーキテクト(12万ドル弱:約1300万円)よりもかなり低い。
採用が難しいほかの職種には、機械学習エンジニア、DevOpsエンジニア、システムアーキテクト、バックエンド開発者などが含まれる。
HackerRankによれば、フルスタック開発者の採用が難しい理由には、この職種の役割を定義することが難しいこともあるという。この職種には、JavaScriptなどのブラウザ上で動作する開発言語や、Python、Node.js、C言語といったサーバーサイドの言語、データベース技術に関する知識など、バックエンドとフロントエンドの両方のソフトウェア開発に関する知識が必要になる。
企業がIT人材の獲得を行っている最大の理由はビッグデータとアナリティクスで、半数あまりの回答者がこの分野を挙げた。それに次いで多かった分野はクラウドコンピューティングだった(46%)。そのほかの主な分野には、人工知能(AI)、業務プロセスの自動化、顧客エンゲージメント、サイバーセキュリティ、IoT(モノのインターネット)、コンピュータービジョンなどが挙げられている。
この調査では、開発者が力を入れるべき言語については扱っていないが、同社が2月に発表した11万6000人の開発者を対象とした調査のレポートによれば、開発者の間でもっとも人気のある言語はGoogleが作った「Go」と、「Python」だという。
開発者に人気のあるほかの言語には、Java互換の「Kotlin」、Microsoftの「TypeScript」、データサイエンティストの間で支持されている「R」などがある。
また、フルスタック開発者はほかの種類の開発者よりもプレッシャーが大きく、60%が過去1年の間に新しいフレームワークを学ぶ必要があったと述べており、45%が新しい言語を学ぶ必要があったと回答していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。