調査

優れたテクノロジーの利用は脳にいかに影響するのか

Larry Dignan (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2020-12-13 08:30

 優れたテクノロジーと接した労働者は、子犬を見た時と同じ情動的反応を示すという。Dell Technologiesと、神経科学分野のリサーチなどを手がけるEMOTIVによる共同研究によって、このような結果が導き出された。

 Dellは「Brain on Tech」という研究で、テクノロジーが人間の脳にもたらす影響を調査している。上述した知見は、その研究によって得られた数多くのデータから導き出されたものだ。同社は、テクノロジーに対する人間の情動的反応を調査するためにEMOTIVの協力を仰いだ。そして両社はシミュレートされた職場環境や、「Excel」を用いた認知タスク、優れたPC、意図的にバグが仕込まれたPCといったものに接した際の、ストレスから来る反応や、イライラや興奮といった人間の感情を、EMOTIVの「Brainwear」という脳波測定製品シリーズの「EMOTIV EPOC+」を用いて数値化した。

 Dellは、この研究によってテクノロジー(優れたものと、問題のあるものの双方)の利用が生産性や従業員の感情に直接的な影響を及ぼすということを確認できたとしている。「どこからでも働ける」環境を準備する計画が進められる中、テクノロジーが及ぼす影響の大きさには驚くべきものがあった。

 以下は、この研究で明らかになった主な点だ。

  • 優れたテクノロジーを提供している企業では、従業員の生産性が最大40%高い。
  • テクノロジーに問題がある場合、生産性が最も大きく低下するのは26歳未満の従業員だった(最大30%減)。
  • 優れたテクノロジーに接した従業員は、子犬のビデオを視聴している際と同様の情動的反応を示す。
  • 問題あるテクノロジーに接した場合、従業員のストレスは2倍になる。
  • 優れたテクノロジーによって、1週40時間の労働において約15時間分の時間短縮が実現できる。
  • 問題あるテクノジーに接した場合、EEGベースの認知ストレスは群衆の前で歌を歌うよう強要された時よりも約30%高くなる。
  • 難しいパスワードを用いる複雑なログインプロセスなどによって、認知ストレスのレベルが急増する。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]