哺乳類の脳に対する理解が深まれば、アルツハイマー病やパーキンソン病といった病気のより効果的な治療方法を発見できるかもしれない。とはいえ、人間の脳を理解するのは大変な作業である。人間の脳は1000億個のニューロンと100兆個以上のシナプスで構成されている。
脳の機能性をより深く理解するため、スイスの研究イニシアチブであるスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の「Blue Brain Project」(BBP)は、「Blue Brain 5」と呼ばれるHewlett Packard Enterprise(HPE)のスーパーコンピュータを導入する。BBPはこのスーパーコンピュータを使って、哺乳類の脳の生物学的に詳細なデジタルモデルおよびシミュレーションを構築する予定だ。最初に取り組むのは齧歯類の脳である。
Blue Brain 5は「HPE SGI 8600 System」をベースとしている。372台のコンピュートノードを含み、1.06ペタフロップスのピーク性能を提供する。94テラバイトのメモリ、Intelの「Xeon Gold 6140」プロセッサと「Xeon Phi 7230」プロセッサ、NVIDIAの「Tesla V100」GPUを搭載する。
HPE SGI 8600 System
BBPの目標は、2020年までにネズミの脳領域全体をモデル化することだ。脳領域全体のモデル化には、約1000億の数式を同時に解くことが必要になる、とBlue Brain Projectの共同ディレクターのFelix Schurmann氏は声明で述べた。
HPE SGI 8600 Systemは柔軟なアーキテクチャを備えるので、HPEはBlue Brain 5がさまざまな計算集約型タスクをサポートできるように設計することができた。このシステムはスイスのルガーノにあるスイス国立スーパーコンピューティングセンターに設置されている。この後の段階も含めると、BBPはHPEのスーパーコンピューティングの技術と専門知識に最大1800万スイスフラン(約20億円)を払うことになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。