NTT東西、4月3日のアクセス障害は45万弱の回線に影響--原因は海外メーカー製装置の故障

藤代格 (編集部)

2023-04-03 20:42

 NTT東日本とNTT西日本は4月3日、同社の通信サービスが日本各地で利用できない、しづらい状況が発生した件について、概要や原因などを発表した。

 「特定の装置メーカーの特定の新機種、バージョンの装置の一部が、特定の配信サーバーから受信したパケット」を起因とした故障で、現在は復旧している。

故障の原因
事故の原因
東日本の事故概要
東日本の事故概要
西日本の事故概要
西日本の事故概要

 故障は、同日午前7時10分頃から発生。NTT東西ともに複数メーカーで構成する「加入者収容装置」のうち、海外の特定メーカーの新機種、同一機種かつ同一バージョンが、海外からの特定の配信サーバーのパケットを受信したことで発生したという。

 加入者収容装置は、従来使用していた装置の後継機として、東西ともに2018年から順次導入。いずれも二重構成を採用していたが、東日本では49ビルの89台、西日本は21ビルの27台でともに故障した。

東日本での被害イメージ
東日本での被害イメージ
西日本での被害イメージ
西日本での被害イメージ
加入者収容装置の詳細
加入者収容装置の詳細

 障害が発生後、東日本では約4分間隔で再起動処理を実施。順次回復し、10時8分に全ての復旧を確認。西日本では8時49分に全ての復旧が確認できたとしている。

東日本でのサービス復旧までの工程イメージ
東日本でのサービス復旧までの工程イメージ
西日本でのサービス復旧までの工程イメージ
西日本でのサービス復旧までの工程イメージ

 影響があったエリアは、東日本では東京、神奈川、北海道エリア。埼玉、千葉、新潟エリアの一部でも同様の被害が起きたが、復旧は早期だったという。西日本は大阪、滋賀、岐阜、富山、石川、福井、鳥取、島根、徳島、愛媛の一部エリアとしている。

 影響があったサービスの回線数は、東日本では光アクセスサービスとなる「フレッツ」が最大35万9600、そのうち「ひかり電話」を活用したサービスが最大18万6000。西日本では光アクセスサービスが最大8万7000、うちひかり電話が最大4万7200。

東日本での被害。ひかり電話の被害数は、18万7000と発表されたのち、18万6000に訂正された
東日本での被害。ひかり電話の被害数は、18万7000と発表されたのち、18万6000に訂正された
西日本での被害
西日本での被害

 NTT東日本 ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 部長の鈴木康一氏と、NTT西日本 執行役員 設備本部 サービスエンジニアリング部 部長の桂一詞氏は、いずれも陳謝した上で、3万以上の収容数、緊急回線も含むなどから、東西ともに「重大な事故」に当たるとの認識を示した。

 また、いわゆるサイバー攻撃の可能性は低く、想定外の挙動をとった可能性が高いとし、「パケットを受信したことが原因だが、送信先やどういった内容かなど、具体的なものは確認中」(鈴木氏)と答えた。

(左から)NTT西日本 執行役員 設備本部 サービスエンジニアリング部 部長 桂一詞氏、NTT東日本 ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 部長 鈴木康一氏
(左から)NTT西日本 執行役員 設備本部 サービスエンジニアリング部 部長 桂一詞氏、NTT東日本 ネットワーク事業推進本部 サービス運営部 部長 鈴木康一氏

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]