来日中のSalesforce.com プレジデント Jim Steele氏が10月3日、東京都内にて記者会見を開催し、9日より米国で開催予定の同社イベント「Dreamforce06」にて正式発表する予定の新機能を一部明らかにした。
Salesforce.comは、Dreamforceにてオンデマンド型CRMの新バージョン「Winter '07」をリリースする予定だ。その新機能のひとつに、「idea exchange」がある。これは、ユーザーからのフィードバックが容易に得られ、それを迅速に反映していくというオンラインサービスの特徴を生かしたもの。ユーザーは、オンライン投稿フォームで希望する機能を書き込み、それが一般に公開され、他のユーザーもその機能が欲しいと思えば、票を入れることができる。Salesforceは投票数の多い機能から順に実装していくという仕組みだ。
またSteele氏は、マッシュアップをダッシュボード上で実現する「Mashboards」も紹介した。これは、分析コンポーネントを提供する企業のサービスをSalesforceのプラットフォームに取り込んで表示するもの。「分析マッシュアップ」ともされるこの機能では、分析ソリューション提供パートナーとしてBusiness ObjectsやOmniture、Visual Miningなどの企業が名を連ねている。
Salesforce.comでは、将来的には日本にデータセンターを設置することも視野に入れているという。その時期など詳細は決まっていないが、「日本には重要な顧客やパートナーが数多く存在する。日本にデータセンターを設置することで、よりよいサービスを提供することが長期的に日本で成長するためのいい選択肢だと考えている」とSteele氏は述べた。
セールスフォース・ドットコムの代表取締役社長 宇陀栄次氏も、「このところ日本でも大手企業による導入が進んでいる」と話す。今後については「われわれはパッケージベンダーではなくサービス企業なので、今後は例えば自動車業界や旅行代理店など全く違う業界のサービスとの連携も考えられる。サービスの幅が広がれば、ローカルでのデータセンターの必要性も増すだろう」とした。