シマンテックは6月6日、ゲートウェイ向けセキュリティソフト「Symantec Mail Security for SMTP 5.0」(SMS for SMTP 5.0)を6月22日から販売することを発表した。
同ソフトは、メールのプロトコルであるSMTPのゲートウェイで、ウイルス対卓、スパム対策、コンテンツ・フィルタリングを統合した製品。今回のSMS for SMTP 5.0は、法制対応としてコンテンツフィルタリングの機能を強化しており、メール本文と添付ファイルをキーワードや正規表現でスキャンするほか、zipファイルもスキャンする。スキャンできるファイルは350種類以上としている。キーワード、正規表現でのスキャンにより、顧客リストや個人情報、社内機密情報などの情報漏えい防止にメリットがあるとしている。
未知の脅威に対しては、SenderIDをサポートすることに加えて、スパイウェアやアドウェアを検出する機能を搭載している。シマンテックでは、ウイルスなどのマルウェアを収集するための“おとりネットワーク”を全世界規模に張り巡らしており、そこから得られたデータをもとに、ウイルスの可能性のあるプログラムに対して、定義ファイルを作成、配信している。
この仕組みをSMS for SMTP 5.0でも応用しており、疑わしい添付ファイルのメールを隔離、配信された定義ファイルを受け取ってから、該当する添付ファイルを再スキャンするという機能が搭載されている。この機能により「脆弱性が存在する期間のアウトブレイクを防ぐことができる」(Symantecでシニアプロダクトマネージャーを務めるMatt Hartwell-Herrero氏)という。
SMS for SMTP 5.0にはメール監査機能が新しく搭載されている。ネットワーク上にある複数のスキャナをまたいでメールの追跡を行えるようになっている。件名や日時範囲、送信元/送信宛先、添付ファイルなどの条件で検索できる。この機能では、メッセージに対するアクションのサマリーや詳細情報を得られる。Hartwell-Herrero氏は、「企業はこの機能を一番楽しみにしている」と説明する。
「米国の75%以上の企業が、法的証拠としてメールのコミュニケーション内容を使用しており、同じく75%以上の企業がメールを承認書類として認めている」(Hartwell-Herrero氏)
こうした事情を受けて、Hartwell-Herrero氏は、「メールを中心としたメッセージングを管理することは、企業にとってミッションクリティカルとして認識されている」と語る。
「メッセージングマネジメントに求められる要件として、送信者のメッセージ監査証跡を収集してアーカイブすること、分析、バックアップと復旧のためにアーカイブすること、法的証拠やコンプライアンスの記録として提出できること――などがある」(Hartwell-Herrero氏)
SMS for SMTP 5.0の対応OSは、Windows 2000 Server(SP4)/Server 2003(SP1)/Server 2003日本語版(SP1)のほかに、Solaris 9/10、Red Hat ES/AS 3.0となっている。なお、Red HatとSolarisは日本語をサポートしていないが、次の5.01で日本語をサポートする予定としている。
ライセンス価格は1年間で1ノードあたり、10〜24ノードでウイルス対策機能だけで2600円、迷惑メール(スパム)対策機能だけで3400円、ウイルス対策機能とスパム対策機能を合わせて5400円としている。
現行のSMS for SMTP 4.xからSMS for SMTP 5.0に移行する場合は、現在使用しているシリアル番号で5.0を利用することが可能。ただ、4.xと5.0とはコードが違うために、5.0をリフレッシュインストールする必要がある。